第326話 4月実績 前年比と前前年比
4月の売上状況が日本フードサービス協会から発表になっています。
昨年4月はコロナの影響が最も大きな月でしたので136.7%となっているものの前々年比では 80.5%とコロナまえの△20%依然として大きな影響は見て取れる。
<外食市場4月の動向>
壊滅的打撃から1年余、コロナ前への回復には程遠い現状
<全体概況>
4月は、まん延防止措置が5日から宮城県、大阪府、兵庫県に、12日から東京都、京都府、沖縄県に適用され、さらに25日からは3回目の緊急事態宣言が東京、大阪など4都府県に発令され、宣言下地域においては酒類提供が禁止となった。当然ながら客足は鈍り、とくに飲酒業態は大打撃を被った。前年4月が動向調査史上最悪の落ち込みとなったため、今回の全体売上は対前年同月比136.7%となったが、コロナ禍前の前々年対比では80.5%にとどまり、依然としてコロナ以前より遙かに厳しい状況が続いている。
<業態別概況>
■ファーストフード業態
・FFは、業態全体の売上は前年同月比117.6%であったが、一番好調なFF業態でさえ対前々年比は99.1%とコロナ以前には及ばない。
「洋風」は引き続きテイクアウトが堅調、昨年は中止していた店内飲食を再開したところもあり、売上は110.0%で先月に引き続き一昨年の売上をも上回った。
「和風」は、高付加価値志向の新メニューの提供により客単価が上昇、売上は108.9%となったが、コロナ前の一昨年の91.5%にすぎない。
「麺類」は、持ち帰りメニューの拡充が貢献し、売上172.5%と一昨年の77.9%にまで回復。
「持ち帰り米飯・回転寿司」は、持ち帰りが定着した「回転寿司」が回復傾向、売上は121.9%と一昨年の94.3%まで戻した。
「その他」は、「カレー」が期間限定メニューの堅調で単価上昇が見られ、売上132.2%となったものの、コロナ禍前の90.5%にとどまっている。
■ファミリーレストラン業態
・FRは、昨年の第1回緊急事態宣言の時ほどの落ち込みはなく、売上は175.4%となったが、度重なる営業制限の影響は大きく、コロナ禍前の69.0%にすぎず依然として厳しい。
「洋風」、「和風」は、テイクアウトが健闘し、「洋風」162.9%、「和風」199.8%となったが、いずれもコロナ前の60%台にとどまっている。
「中華」も、引き続き餃子等の持ち帰り需要が堅調で売上140.4%だが、一昨年の87.3%で回復はまだ先。
「焼肉」も、時短営業の中で奮闘し、売上254.9%と一見驚異的な伸びだが、一昨年の75.9%にすぎない。
■パブ・居酒屋業態
飲酒業態も、事実上の活動停止状態となった昨年と比較すると、「パブ・ビアホール」の売上は584.2%、「居酒屋」は274.2%と膨張しているが、度重なる酒類提供の制限(時間制限・提供禁止)のあおりを受け、休業店舗も多く、いずれもコロナ以前の20%台で低迷している。
■ディナーレストラン業態
厳しい営業制限が続く中、一部では高単価の弁当のテイクアウト、リピーターによる単価の下支えなどで、売上は昨年の296.4%だが、やはり酒類提供禁止の影響は大きく、下旬を中心に失速、コロナ禍前の46.4%にとどまった。
■喫茶業態
昨年は商業施設立地の店舗が休業に追い込まれたため、その反動で今年の売上は対前年比229.1%となったが、今年はビジネス街立地の店舗が苦戦し、売上は一昨年の68.2%までしか回復していない。