第515話(米国最新情報)2024年、米国レストラン業界を揺るがした6つのメニュートレンド

2024年、レストラン業界では新たなトレンドが次々と生まれ、食事の楽しみ方に大きな変化が訪れました。ソーシャルメディアで話題になったトピックや、シェフたちが注目した流行の中から、特に注目すべき6つのメニュートレンドを紹介します。

  1. 低アルコール・ノンアルコール飲料の急成長

「マインドフルドリンク」という新しいコンセプトが広がり、低アルコールやノンアルコールのドリンクがメニューに定着しました。特にゼロプルーフ(ノンアルコール)のカクテルは職人技と高級感を兼ね備えた洗練された選択肢として注目されています。また、THC入りのドリンクが「カリフォルニア・ソバー」という新たな飲酒スタイルを提案し、アルコールの代替品として人気を集めました。

  1. スナックブームの台頭

「間食」が主食の枠を超えて、レストランメニューにも大きな影響を与えました。サブウェイやバーガーキングといったチェーンがスナック商品を投入し、Z世代がこのトレンドを牽引しています。彼らのライフスタイルに合わせた手軽で魅力的なスナックが、伝統的な食事の時間を曖昧にしています。この動きはアルファ世代にも広がり、レストランが日常的なスナックスポットとしての地位を確立しています。

  1. 没入感のあるダイニング体験

ただ食事を楽しむだけでなく、ゲストが「体験」を求める時代が到来しました。高級感のある盛り付けやテーブルサイドでの調理、シェフのカウンターなど、没入型の食事体験が人気です。特に、インタラクティブな料理イベントやワークショップを提供するレストランが増加しています。体験型の予約は前年比27%増加し、今後もこのトレンドは続くと見られます。

  1. 韓国料理の進化

2024年の年間最優秀料理に選ばれた韓国料理は、世界的な「韓流」ブームに後押しされ、大きく進化しました。コチュジャンやキムチといった伝統的な食材に加え、鍋料理や韓国風バーベキューなどインタラクティブな食事体験が注目されています。特に、フランチャイズ展開で急成長しているKPOTの成功は、韓国料理の新たな可能性を示しています。

  1. 平日のレストラン利用の増加

ToastとOpenTableのデータによると、平日のレストラン利用が増加傾向にあります。特に水曜日の外食が前年比11%増加し、週の区切りをつけるために外食を楽しむ人々が増えています。一方で、週末のレストラン訪問は減少しつつあり、早めの夕食の予約がトレンドとなっています。

  1. 甘辛トレンド「スウィシー」

2024年、甘くて辛い味の組み合わせが「スウィシー」として大流行しました。ホットハニーをはじめとする甘辛の調味料がメニューの主役となり、ピザやサンドイッチ、カクテルにまで広がっています。また、甘さと塩味を組み合わせた「スワボリー」や「スウォルティ」といった新たなフレーバーも注目を集めています。

 

2024年のメニュートレンドは、消費者の多様なニーズに応える形で進化を続けました。これらのトレンドは今後もさらに洗練され、新しい食事体験を提供するために発展していくことでしょう。レストラン業界は、単なる食事の場を超え、ライフスタイルを提案する重要な役割を果たしています。2025年にはどのような新しいトレンドが生まれるのか、期待が高まります。

 

 

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