第５１６話2024年日本のレストラントレンド
2024年、日本のレストラン業界では多彩なトレンドが生まれ、食文化に新たな風を吹き込みました。以下に、特に注目すべき動向をまとめました。
- 日本食の再評価と専門店の台頭
インバウンド需要の増加や健康志向の高まりを背景に、伝統的な日本食が再注目されています。特に「味噌汁」は、従来の定食の付け合わせから主役へと昇華し、専門店が増加しています。東京・浅草の「MISOJYU」など、素材や製法にこだわった店舗が人気を博しています。また、「牛カツ」や「焼き鳥」も専門店の増加や新たな提供スタイルの導入により、再び脚光を浴びています。
- 食べ歩きグルメの多様化
若年層や訪日外国人観光客の増加に伴い、手軽に楽しめる食べ歩きメニューが人気を集めています。「ホットドッグ」は、ソーセージやトッピングに工夫を凝らした進化系が登場し、主食としての地位を確立しています。また、「いなりずし」や「揚げサンド」など、伝統的なメニューにアレンジを加えた商品も注目されています。
- 台湾グルメの浸透
円安の影響で近隣アジア諸国への旅行者が増加し、その中でも台湾のローカルグルメが日本国内で人気を博しています。「台湾ドーナツ」や「台湾おにぎり」、「牛肉麺（ニュウローメン）」など、現地の味を再現した専門店が増加し、消費者の関心を引いています。
- Y2Kリバイバルと懐かしのメニューの復活
2000年代に流行したメニューが再び脚光を浴びています。「キャロットケーキ」は「キャロ活」という言葉が生まれるほどの人気で、コーヒー専門店の看板商品として提供されています。また、「キーマカレー」や「クイニーアマン」なども進化系として再登場し、幅広い世代から支持を得ています。
- アサイーボウルの再ブーム
約10年ぶりに「アサイーボウル」がリバイバルヒットしています。SNS映えとヘルシー志向が相まって、専門店やカフェでの提供が急増しています。スーパーフードとしての認知度も高まり、健康志向の消費者からの支持を集めています。
- チキンバーガーの人気上昇
ザクザクとした衣が特徴のチキンバーガーが注目を集めています。韓国やアメリカからの新規参入店が続々とオープンし、独特の食感と風味で消費者の心を掴んでいます。特に「バターミルクフライドチキン」を使用したバーガーが人気です。
- ビリヤニ専門店の増加
インドの炊き込みご飯「ビリヤニ」の専門店が増加しています。神田や大阪などで新店舗がオープンし、多様なエスニック料理店でも提供されるなど、その人気は全国的に広がっています。
- だし巻き卵ブーム
SNSの影響で「だし巻き卵」を提供する店がブームとなっています。早朝から行列ができる店や、独自のスタイルで提供する店舗が増加し、その人気は衰えを知りません。
- 老舗の復活・継承
長年愛された老舗が再オープンしたり、その味を継承する新店舗が登場しています。伝統の味を守りつつ、新たな世代に向けた取り組みが進められています。
- 焼き菓子とスコーンの人気
「フィナンシェ」などの焼き菓子や「スコーン」が再び注目を集めています。専門店の増加や家庭での需要拡大により、その人気はさらに高まっています。
これらのトレンドは、消費者の多様なニーズや社会的背景を反映しており、今後の日本の食文化の発展に大きな影響を与えると考えられます。
