第552話マックとスタバが日本で圧倒的に強い理由と、外食事業者が学ぶべきポイント
日本の外食チェーンのなかで、際立って高い利益率を誇るのが マクドナルド と スターバックス です。
すかいらーくや吉野家、スシローといった大手チェーンが営業利益率5%前後で推移するなか、マック・スタバは10%を超える水準を維持しています。なぜ、彼らだけがこれほどの収益を上げられるのでしょうか。そして、飲食事業者はそこから何を学べるのでしょうか。
高収益の秘密は「ブランド+体験」
まずスターバックスを例に取ると、単にコーヒーを売っているのではなく、「第三の場所」という空間体験そのものを提供しています。
顧客は“コーヒー代”だけでなく、“居心地の良さ・自分の時間・ブランドに属する喜び”に対してもお金を払っています。だからこそ、他のカフェより高単価でも納得して選ばれるのです。
マクドナルドもまた「安さと早さ」だけでなく、定番商品への安心感、常に新しいキャンペーンや話題を仕掛けるエンタメ性で顧客を飽きさせません。さらに、オペレーションを極限まで効率化することで、安価でも利益を確保できる仕組みをつくりあげています。
日本発チェーンの課題とチャンス
ダイアモンドオンラインの記事では、日本の外食チェーンが世界ブランドへ飛躍するには次の壁があると指摘しています。
- ブランドの国際訴求力不足:国内で人気でも、海外では魅力が伝わりにくい。
- オペレーション標準化の遅れ:属人的な運営から脱却しにくい。
- 資本投資力の弱さ:海外展開や広告投資に踏み切れない。
しかし裏を返せば、これらを克服すれば日本発チェーンにも大きなチャンスがあります。特に日本の外食は品質面で強みがあり、世界に通じるポテンシャルを秘めているのです
飲食事業者が学ぶべき実践アドバイス
では、マックやスタバの成功から、自店の経営にどう応用できるのでしょうか。ここでは4つの実践ポイントを紹介します。
- 「価格以上の価値」をつくる
単に安く売るのではなく、**「空間」「体験」「接客」**を含めた総合的な価値を提供しましょう。
たとえば、店内の照明や音楽を工夫するだけでも顧客の滞在価値は上がります。
- 限定メニュー・話題性を仕掛ける
スタバのように季節商品を投入すれば、リピーターが「また行きたい」と感じる理由になります。
「次はどんなメニューだろう」と期待される仕組みを意識的に作りましょう。
- オペレーションを効率化する
人手不足の時代こそ、調理フローや発注システムの見直しが重要です。
誰がやっても同じ品質を出せるように マニュアル化 を進めることで、無駄を減らしながら利益率を改善できます。
- ブランド物語を語る
単なる「おいしい料理」ではなく、「なぜこの料理を提供しているのか」という背景を伝えることがブランド力になります。
SNSや店内POPでストーリーを発信し、顧客が共感できるブランドを育てましょう。
まとめ
マクドナルドとスターバックスが日本市場で圧倒的な強さを見せているのは、偶然ではありません。
「体験を売る」「効率を追求する」「常に話題を仕掛ける」「ブランドを磨く」──この4点が彼らの強さの源泉です。
中小飲食店や新興チェーンも、このエッセンスを自店なりに取り入れることで、地域で強いブランドになり、将来的には全国、さらには海外展開へとつなげることができるでしょう。
外食ビジネスは「食べ物を売る」だけではなく、**「人々に喜びと価値を提供する産業」**です。
マックとスタバの事例をヒントに、ぜひ自店の戦略をもう一度見直してみてください。