第372話 代替ミートだけでない、チーズも卵も

代替ミート市場はこのコロナ禍でアメリカを中心に大きく成長している。日本でも大きく動き出しているという状況になっている。

ほとんどの外食ナショナルチェーン、焼肉店等で代替ミートのメニューは装置されはじめているようだ。

言われないと、気が付かないほどその完成度は高くなっている。

 

そんな動きが実はチーズ、卵などが植物由来の原材料を使った代替タンパク質商品に広がってきている。

そんな話題を日経新聞が伝えている。その内容を抜粋してお伝えしたい。

 

キユーピーの代替卵「ほぼたま」は、卵を使わず大豆などを原料としたスクランブルエッグ状になっている

植物由来の原料を使った代替タンパク質の商品が広がってきた。J―オイルミルズは3月からチーズやバターの代替品「ビオライフ」の全国展開を開始。キユーピーも代替卵商品で消費者向けの販売を始めた。健康志向や環境配慮意識の高まりを受けてこれまで植物肉が中心だった代替食品の選択肢が拡大しており、消費者にとって一段と身近な存在になりそうだ。

 

「このレアチーズケーキには乳製品を使用していません」。一口食べると食感、味、どれをとってもおなじみのレアチーズケーキだ。J―オイルミルズの複合型キッチン「おいしさデザイン工房」(東京・中央)には食品関連企業の担当者が連日足を運ぶ。同社幹部は「健康によくても、環境によくても、おいしくないと続かない。食の未来を作りたい」と意気込む。

 

提供するのは植物性原料を使ったチーズやバターの代替品はオランダのアップフィールド社

「ビオライフ」を使った料理だ。

ビオライフは原材料にココナツオイルを使用し、乳やナッツを使わない「ビーガン食品」をうたう

 

「価値観の多様化が進むお客様に新たな選択肢を提供する」。キユーピー、家庭用本部の田川篤志本部長は3月に開かれた代替卵「ほぼたま」の商品発表会でこう意気込みを語った。

21年6月から業務用向けに代替卵を販売していたが、植物由来の食品を選ぶ消費者が増えていることをうけて、3月から通販向けにも販路を広げた。

 

東京都と神奈川県、千葉県の一部エリアでアマゾンジャパン(東京・目黒)が展開する生鮮宅配「アマゾンフレッシュ」などを通じて販売し、順次展開地域を広げる。業務用で展開している半熟感を再現したスクランブルエッグ風の商品に加え、溶き卵を加熱すると固まる特徴を再現した加熱用液卵風商品(60グラムで182円)も用意した。

加熱用液卵風の商品はオムレツや卵焼きなどの料理に使うことを想定している。代替卵を含む「プラントベースフード(植物由来食品)」で5年後に5億円の売上高をめざす考えだ。

 

カゴメも植物由来の原料を使用したオムライス商品「エバーエッグ」を発売した。卵の代わりにニンジンと白インゲン豆を使用し、独自開発した製法でトロッとした食感を再現。業務提携する健康関連スタートアップのTWO(東京・渋谷)との共同開発商品第1弾で、カゴメの山口聡社長は「めざしたのは洋食店で出てくるふわとろのオムライス。新たな需要を創造できると確信している」と市場開拓に期待をよせる。

 

エバーエッグは肉や卵などの動物性原料を一切使わず、卵部分はニンジンと白インゲンを使用。

 

水産分野でも代替食品の開発が進む。水産加工食品メーカーのあづまフーズ(三重県菰野町)がこんにゃく粉を原料にマグロ、サーモン、イカの代替魚肉を発売。大豆製品や海藻類を原料にしたウナギの代替品の開発も進めている。

 

味の素はイスラエルのバイオベンチャーの技術を活用し、植物性タンパク質が豊富な野菜飲料を昨年夏から展開する。葉野菜を原料として鶏卵の3.3倍のタンパク質を含む点が特徴。健康・環境志向を背景に高まっている植物性タンパク質への需要を取り込む狙いで、25年に50億円規模の事業に育てたい考えだ。

 

植物由来の代替タンパク質商品はまだ市場規模はそんなに大きいとは言えないが、今後大きく成長し食の風景を変えて行くことになりそうだ。注視していきたい。

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