第274話 コロナ後対応と4月実績
コロナ後の対応海外事例
コロナ後の対応でアメリカから届いたニュースを紹介します。
米国レストランビジネスが伝えるスターバックスのコロナ後対応だ。
積極的に店舗展開を今までのモールからドライブスルーへ移行することを明言している。
“スターバックスは、シアトルを拠点とするコーヒーの巨人が、より多くの割合の注文がテイクアウトされるポストコロナウイルスの世界に適応するため、今後数か月以内にモールの場所の多くをドライブスルーのユニットに移転する予定です。
顧客への手紙で、CEOのケビンジョンソンは同社がパンデミックシャットダウンの前に始まったドライブスルーの場所へのシフトを加速する計画であると述べました。
「私たちのデジタルリーダーシップと、パフォーマンスの低い場所やフォーマットを新しい店舗フォーマットに変える能力(つまり、スターバックスの店舗を、交通量の少ないモールから、3位とドライブスルーを組み合わせた活気のある新しいスターバックスの場所に移転すること)は、当社独自の強みです。ジョンソン氏は、今後数か月のうちに傾くことになるだろう」と述べ、消費者に仕事と家の外の場所を提供するというチェーンの「3位」戦略に言及しました。“
ドライブスルーは、パンデミックの最中に顧客に人気のあるオプションになり、レストランでの食事に代わるより安全な選択肢と見なされており、ファストフードチェーンでの長いドライブスルーラインがここ数週間で一般的になりました。
ジョンソン氏は、近い将来についてまだ慎重な見方を示した。 「ワクチンが開発されて広く利用できるようになるまで、彼らが仕事に戻ったり学校に戻ったりするとき、消費者は用心深いでしょう」と彼は言った。 「そして、3600万人以上のアメリカ人が突然失業し、彼らの将来を心配しているため、このCOVID-19経済における経済回復の全体的な形について疑問があります。」
コロナウィルスの治療薬、ワクチンが開発されるまで消費者の行動は非常に注意深いものになるのではないかとみています。
コロナウィルスでの業績の差
日本での4月実績が日本フードサービス協会から発表になっています。
はっきりと業績に差が出ています。
首都圏での営業が全くできていないチェーンもありますし。居酒屋のように
営業自体が自粛要請対象となった業態もあるが。
総じて洋風ファーストフードは堅調であったと言える。
既存店前年比
マクドナルド 106.5%
KFC 133.1%
モスバーガー 103.7%
2020/04 2020/03 2020/02 2020/01 2019/12
マクドナルド +6.5% -0.1% +14.7% +2.6% +2.1%
KFC +33.1% +8.2% +12.8% +8.5% +4.4%
モスバーガー +3.7% +0.9% +15.9% +8.7% +8.1%
吉野家 -4.0% -1.8% -2.1% +9.5% +11.3%
すき家 -11.9% -7.8% +10.0% +1.9% +2.8%
松屋 -22.6% -5.2% +15.5% +6.4% +6.6%
CoCo壱番屋 -26.0% -9.8% +2.5% +0.3% -1.1%
天丼てんや -41.9% -20.9% -1.8% -4.1% -2.2%
いきなり!ステーキ-62.6% -48.9% -38.7% -33.5% -32.7%
ペッパーランチ -53.2% -34.6% -7.0% -2.0% -7.3%
餃子の王将 -21.9% -3.5% +11.3% +9.9% +4.7%
ロイヤルホスト -57.9% -20.3% +3.9% +3.8% +4.9%
大戸屋 -48.4% -20.7% -3.2% -4.3% -5.9%
すかいらーくグループ-58.2% -23.9% -0.4% -2.4% -4.4%
デニーズ -56.7% -25.9% -1.2% -4.4% -6.1%
日高屋 -50.7% -18.0% +4.7% +0.8% -1.8%
サイゼリヤ -61.4% -21.5% +6.6% +5.1% -0.5%
スシロー -44.4% -13.7% +12.0% +7.0% +7.0%
くら寿司 -48.1% -15.5% +12.2% +4.8% -4.2%
鳥貴族 -96.1% -16.1% +6.0% +7.5% +1.7%
HUB – % -39.2% -3.6% -7.5% -7.2%
コメダ珈琲店 -46.9% -9.5% +12.9% +1.8% +3.2%
ドトール -64.1% -22.1% -3.8% -0.6% +0.7%
サンマルクグループ-85.7% -34.0% -0.6% 0.0%
日本フードサービス協会発表
<外食市場4月の動向>
- 新型コロナウイルスによる休業・営業時間短縮で、調査開始以来最低の売上
<全体概況>
4月は、新型コロナウイルスの影響を前月以上に大きく受け、深刻な事態となった。7都府県を対象に発令された7日の「緊急事態宣言」が16日には全国へと拡大され、外食店舗は全国的に営業時間の短縮を要請された(概ね営業時間は朝5時から夜8時まで、酒類の提供は夜7時まで)。このため休業する店舗も増え、また営業を続ける店舗でも、外出自粛の中での時短営業により客数が大幅に減少、4月の外食全体の売上は前年比60.4%と、当調査開始以来最大の下げ幅となった。なかでもパブは前年比4.1%、居酒屋は9.7%と一桁台、またディナーレストランは16.0%、喫茶は27.6%とそれぞれ壊滅的な打撃を受けた。
<業態別概況>
■ファーストフード業態
・FFでは、商業施設立地の店舗で休業するところもあったが、多くは時間短縮の中で営業を続けた。
FFは他業態に比べ従来よりテイクアウト、宅配、ドライブスルーなどの「持ち帰り」需要に対応する基盤が整っており、全体売上は84.4%に踏みとどまった。
・特に「洋風」は、ドライブスルー完備店などにより持ち帰り需要が大幅に増え、一部の店では店内飲食を中止してテイクアウト販売に限定したにもかかわらず、売上は102.8%と前年を上回った。
だが「麺類」と「その他」は、商業施設立地店の休業などが影響し、それぞれ売上45.4%、68.7%となった。
「和風」と「持ち帰り米飯・回転寿司」は、持ち帰り需要の下支えがあり、売上はそれぞれ84.2%、78.4%に踏みとどまった。
■ファミリーレストラン業態
・FRも、FFと同じく商業施設立地の店舗では休業したところもあったが、多くは時間を短縮して営業を続けた。持ち帰り需要を取り込むためにテイクアウトやデリバリーを強化するなどの努力も見られたが、もともと店内飲食が中心の業態のため、売上全体をカバーするほどの効果はなく、全体売上は40.9%と前年を大幅に下回った。
・「中華」は、引き続き餃子などのテイクアウト・デリバリーが下支えとなり、売上は62.5%に踏みとどまったが、「洋風」「和風」はそれぞれ売上40.8%、35.1%、また「焼肉」は休業する店舗も多く売上30.9%となった。
■パブ・居酒屋業態
・飲酒業態は、「営業は夜8時まで、酒類提供は夜7時まで」と要請する自治体が多い中、多くの店舗が休業に踏み切った。一部でランチ営業を行う店舗もあったが、全体的に見れば事実上の活動停止状態で、「パブ・ビアホール」は売上4.1%、「居酒屋」は9.7%と壊滅的な打撃を受けた。
■ディナーレストラン業態
・ディナーレストランも、営業時間等の制限で休業せざるを得ない店舗が多く、売上は16.0%となった。
■喫茶業態
・商業施設立地の店舗での休業に加え、ビジネス街立地の店舗でも多くが休業し、売上は27.6%となった