第377話 増えるスイーツ消費

テレワーク定着、時間にゆとりが生まれコロナ禍での生活スタイルが変わったことから思わぬところで需要が増えているようだ。

そんな様子を日経MJが伝えている。

スイーツを楽しむ機会が増えている。総務省の家計調査では新型コロナウイルス禍前より、ケーキなどへの出費が増加。3年ぶりにコロナ禍による行動制限がなかったゴールデンウイーク(GW)は繁華街や観光地が多くの人でにぎわい、特にスイーツ系の店舗の行列が目についた。テレワークの定着で、自宅でスイーツを食べる機会が増えたという消費者も出てきている。

GW中のある日、20代の女性は友人と2人で、東京・北青山のスイーツ店に2時間並んだ。2021年11月にオープンした、ミルフィーユ専門店、「ガリゲット」だ。フランスの伝統菓子、ミルフィーユを大胆にアレンジ、大きな丸い2枚のパイでクリームとフルーツをサンドすることでフォークなしで食べられるようにした。見栄えと豊富なバリエーションで人気だ。

女性は「ピスタチオクリーム×木イチゴ、アールグレイクリーム×アプリコットなど、ツボのフレーバーが多い。選ぶのに結構時間がかかったが、その時間まで楽しめた!」と話す。

最近は1種類のスイーツで勝負する「専門店」も目につく。モンブラン、バスクチーズケーキ、カヌレといった洋菓子系から、フルーツ大福、ベビーカステラ、りんごあめ、生どら焼きなどの和風系まで様々だ。

21年の総務省家計調査(総世帯)では、スイーツへの出費が増えていることが分かる。コロナ禍前の19年比で「ケーキ」への支出はプラス8.8%。シュークリームやクレープ、パイ、焼き菓子を含む「他の洋生菓子」も14%増だった。

街中にはスイーツ店の袋を手にしている人が目立ち、なかにはテークアウトしたスイーツでおしゃれなピクニックを満喫する人もいるが、自宅でプチぜいたくなスイーツを楽しむ人も増えているようだ。

「コロナ前は仕事や遊びで毎日帰りが遅く、スイーツ店は閉まっていたけど、コロナの感染拡大後はテレワークのお昼休憩などに近所でスイーツを買う時間ができた」と話すのは一人暮らしの女性(26)だ。早めに夕食をとり、ゆっくりお風呂に入った後、映画を見ながらスイーツを食べるようになったという。

両親や妹と暮らす28歳女性は、「『夕食後に家族でティータイム』という新しい習慣ができた」と語る。「テレワークの日が多く、家族そろって夕食を食べるとその後の時間が長いのでスイーツを買ってくるようになった」という。

持続可能な取り組みが、好印象につながることも。東京・目黒にある無添加のいちご大福専門店に行った20代の女性は「おいしさだけでなくフードロスをなくすために、1日200個限定にしていることに引かれた。サステナブルを意識したお店は評価も上がる」と話す。

なじみのあるスイーツを目新しくアレンジする店やスイーツ専門店が増えているうえ、全国からのお取り寄せなどでミレニアルズの舌は肥えている。コロナ前よりスイーツを食べる機会が増えた今、味や種類の豊富さ、店のこだわり度合いが重要だ。

(ブームプランニング代表 中村泰子)

 

 

 

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