第378話 そばの値上げと4月実績

外食各社は原材料の値上げに悲鳴をあげている。その中でそばチェーンも例外ではない
日経が伝えている。

そばチェーンが相次いで値上げする。セルフ式そば店の「ゆで太郎」を運営するゆで太郎システム(東京・品川)は6月1日から、主要メニューのもりそば・かけそばを20円(5.6%)引き上げる。

「名代富士そば」をチェーン展開するダイタンフード(東京・渋谷)も同日からの値上げを決めた。そば粉のほか小麦粉、食用油といった食品の価格上昇分を転嫁する。

ゆで太郎システムの値上げの対象は、もりそばといった単品のそばやセットメニューなどだ。もりそば、かけそばの新価格は1杯380円になる。

1、2月には食用油など原材料費や物流費の高騰を踏まえ、より多く油を使うカツ丼のセットメニューなどを値上げしていた。

ダイタンフードも、かけそばを1杯360円と20円(5.9%)引き上げる。同社の値上げは今年2回目だ。

小麦粉や油などに加え、そば粉の価格上昇が影響する。背景には原料のソバの実の値上がりがある。

中国産は輸入品の6~7割を占める。比較可能な1997年以降で最高値だ。

北米産も転作や天候不順などで減産となり、海外産の品薄感は強い。世界最大のソバの実の生産国であるロシアがウクライナに侵攻したことで、ロシア産にも供給不安が広がり中国産の価格を一段と押し上げた。

原料高を受けたそば粉の値上げが相次ぐ。日穀製粉(長野市)や松屋製粉(栃木県上三川町)などそば製粉大手は、海外産の実を使ったそば粉を6月から1~2割値上げする。

今後の値動きは、22年産のソバの実の収穫動向が左右する。ある専門商社の担当者は「種をまく前に契約する北米産は牧草などへの転作で、生産量の増加が見込めない」と話す。中国の生産動向への関心が高まりそうだ。(小川望)

日本フードサービス協会より4月の実績が発表になっている。内容を見てみます。

<外食市場4月の動向>

営業制限が緩和され客足戻るも、夜間需要の回復は未だ鈍い


<全体概況>
4月の外食需要は、3月22日以降全国でまん延防止等重点措置(以下、重点措置)が解除されたことから、首都圏など一部地域では感染再拡大防止のための自治体の協力依頼があったものの、おおむね回復基調となり、全体売上高は113.5%、コロナ禍前の19年比では91.9%となった。春休みや土・日曜日、祝祭日を中心に、家族連れが外食需要を牽引し、商業施設立地の店舗などが好調であった。一方、コロナ下での生活習慣の変化により、制限緩和後も夜間の客足は依然として早く途絶え、夜の外食需要は戻っていない。また、営業回復に必須の人員確保も大きな課題で、一部店舗では人手不足から売上の回復が遅れている。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

重点措置解除後もテイクアウト需要は底堅く、店内飲食の回復や新商品の展開などもあり、全体的に引き続き堅調に推移した。 

「洋風」は、デリバリー、ドライブスルーの堅調は変わらず、売上110.7%。

「和風」は、夜間の店内営業の再開や新商品の好調もあり、売上107.9%。

「麺類」は、酒類提供制限が大幅に緩和され、売上109.8%。

「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「持ち帰り米飯」の家族向け商品が好調で単価が上昇、売上102.8%。

「その他」は、「カレー」が郊外店で振るわなかったものの、「アイスクリーム」のテイクアウト需要が堅調で、商業施設での売上も回復し、売上105.1%となった。

ファミリーレストラン業態

家族連れが需要回復を牽引し、FR全体の売上は117.5%となるも、夜の需要が戻らないことなどから、19年対比では79.9%に留まった。原材料費の高騰により、価格改定に踏み切らざるをえないところも出てきた。
 「洋風」は、春休みや祝祭日を中心に家族客が戻り、売上112.5%。

「和風」は、重点措置解除後も、依然として宴会需要やビジネス街店舗の需要は戻りが悪いが、家族客の増加で、売上124.3%。

「中華」は、テイクアウトとデリバリーの好調が続き、また店内飲食も回復し、売上114.3%。

「焼き肉」は、家族客の戻りが好調、夜間営業も再開され、売上128.1%。


パブ・居酒屋業態

「パブ・居酒屋」は、営業規制により売上激減であった前年と比べると売上181.9%と大きく伸びたように見えるが、19年比では売上47.6%と、実態はコロナ前の半分にも届いていない。特に二次会など夜遅い時間帯の集客が低調で、また新規感染者数の高止まりと自治体からの感染再拡大防止の注意喚起が続く中では、法人の宴会需要も見込めず、今も苦戦が続いている。

 

ディナーレストラン業態
百貨店などの商業施設を中心に個人客の戻りが顕著で、売上136.3%となるものの、長引いた規制の影響で夜間の客の退店が早く、加えて法人宴会の需要が戻っていないことなどから、19年比では74.2%となっている。

 

喫茶業態 

人流の回復に伴い、商業施設立地の店舗など多くの立地で客足が戻り、売上113.0%。しかしオフィス街立地では、通勤客が戻る傾向にあるにもかかわらず、需要の回復が遅れている。

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