第407話 モバイルオーダーを考える
今や飲食店はじめ店舗型ビジネスのDX化は勢いを増していると言ってもいい状況です。多くのSAP(
アプロケーション・サービス・プロパイダー)及びクラウドサービス企業が飛躍的に増加しています。
もちろん内容も大手から中小まで入り乱れています。しかしこのIT業界は中小と言っても侮れません。
画期的なアイデアで一躍大きくなるベンチャーは後を立ちません。
そんな中、今回は省力化による生産性の向上に寄与している「モバイルオーダー」について考えてみたいと思います。(FOOD-INの記事より引用)
もちろん業態によってどう使い分けるか考える必要はあると思いますが、どう駆使するかが経営に問われてきます。
モバイルオーダーは、お客様が自身のスマートフォンやタブレット端末を使用して、料理などを注文するサービスの総称です。
モバイルオーダーには用途応じて以下3つの種類があります。
・店外型モバイルオーダー(テイクアウト向け)
・店内型モバイルオーダー(イートイン向け)
・キャッシュオン型モバイルオーダー
店外型モバイルオーダーは、インターネットから検索して利用されるケースが多いことから「ネット注文」「オンライン注文」とも呼ばれます。
店内型モバイルオーダーは、テーブルに設置されているQRコードをお客様のスマートフォンで利用するケースが多いことから、「スマホ注文」とも呼ばれます。
それではモバイルオーダーの導入のメリットを考えてみます。
まずは店舗側のメリット
①注文受付・会計業務が削減できる
②スタッフの注文ミスを防止できる
③卓上タブレットより安価
④デジタルメニューブックでコスト削減&訴求力アップ
⑤客単価UPが見込める
⑥顧客情報をリピート促進に活かせる
⑦インバウンド対策になる
- 注文受付・会計業務が削減できる
モバイルオーダーは、お客様自身がスマートフォンから注文や決済を行うため、スタッフの注文受付・会計業務が削減できます。
モバイルオーダーによる業務の削減は、他業務への注力や人手不足の解消に役立てられるほか、空いた時間をお客様への細やかなサービスに充てることも可能です。
- スタッフの注文ミスを削減できる
モバイルオーダーはお客様自身が注文を行うため、スタッフの注文聞き間違えによるミスを防止することができます。スタッフによる注文ミスを防止し、メニュー原価や人件費に無駄を発生させないことも、モバイルオーダーの大きなメリットです。
- 卓上タブレットより安価
飲食店のセルフオーダーシステムのなかで、モバイルオーダーと比較されることが多い卓上タブレットですが、導入コストを比較するとモバイルオーダーは卓上タブレットの1/10ほどといわれています。また卓上タブレットは、除菌や端末のメンテナンスなど、導入後の管理にも一定のコストがかかりますが、モバイルオーダーは管理コストもほとんどかかりません。
- デジタルメニューブックでコスト削減&訴求力アップ
モバイルオーダーを導入すると、今まで使用していた紙メニューは不要になります。
新しいメニューは、モバイルオーダーの管理画面から追加します。これまで新メニューや季節のメニューを出すたびに掛けていたデザイン費用や印刷費用はかからなくなります。
- 客単価UPが見込める
デジタルならではのメリットとして、メニューにあわせたレコメンドメニューを出せることも挙げられます。また、スタッフを呼び止める必要も無いため、ピークタイムなどのお客様の注文機会を逃すこともなく、客単価が上がった事例も多く聞かれています。
- 顧客情報をリピート促進に活かせる
モバイルオーダーは、デジタルで注文を取るからこそ注文データを蓄積することが可能です。
お客様に情報をご登録いただくことで、属性ごとの注文動向などを参考に新メニューを作成したり、キャンペーンや新メニュー情報のメールやメッセージを送り、リピート利用を促進することができます。
- インバウンド対策になる
モバイルオーダーは飲食店のインバウンド対策としても注目されています。
多言語機能があるモバイルオーダーであれば、登録してある店舗情報やメニュー情報を英語や中国語などの様々な言語で表示する事ができ、海外のお客様にも安心してご利用いただくことができます。これまでインバウンド対策として作成していた、海外のお客様向けに専用のメニューブックは必要なくなり、苦戦しがちな注文受付や会計業務もなくなります。 お水のサービスや会計もモバイルオーダー上で対応できるため、多言語対応できるスタッフがいなくても、海外のお客様への対応が可能です。
店側からだけではなくお客様側から見てもメリットが見えてきます。
①店舗でのテイクアウト待ち時間を短縮できる
②テイクアウト時にゆっくりメニューを見て注文できる
③非接触で注文できるため、スタッフとの接触機会を減らすことができる
④注文したいメニューを検索できる
⑤注文のたびに、店員を呼ぶ必要が無くなる
⑥グループ利用でも、一人一人が手元でメニューを閲覧できる