第480話(最新米国事情)エナジードリンクがレストラン業界に広がる背景

米国のレストラン業界でエナジードリンクが広がっていることをジョナサン・メイズが2024年5月8日RESTAURANT BUSINESSでレポートしています。内容を要約してお伝えします。

パネラブレッドがチャージドレモネードの提供を中止しても、エナジードリンクの人気はレストラン業界で高まり続けている。チェーン店のダッチ・ブラザーズやコンビニエンスストアがエナジードリンクで成功を収めている中、スターバックスもダンキンの後を追い、独自のエナジードリンクを準備している。

スターバックスの戦略 スターバックスは今四半期の後半に、「手作りのエネルギープラットフォーム」を展開する予定だ。ラクスマン・ナラシンハンCEOが掲げるこのプラットフォームは、同社がエナジードリンク市場に本格的に参入する試みとなる。この戦略は、2月に「Sparkd」を導入したダンキンの動きと軌を一にしている。

他のレストランのエナジードリンク戦略 2019年にレッドブル・スラッシュを導入したソニック・ドライブインは、新たにリチャージャーを加えた。また、ジャージー・マイクズは昨年セルシウス飲料の提供を開始している。急成長中の多くのチェーン店がエナジードリンクを導入する背景には、午後の活力を求める若い消費者を取り込む狙いがある。ダッチ・ブラザーズは売上の約24%をエナジードリンクで稼ぎ、午後の売上も増加している。SECの文書によると、同社の売上の60%は午後12時以降に発生しているという。

市場の拡大とエナジードリンクの需要 エナジードリンクの需要は急速に伸びており、コンビニエンスストアやガソリンスタンドでその影響を見て取ることができる。CircanaとCSP Daily Newsのデータによると、昨年のエナジードリンクの売上は14.6%増加し、炭酸飲料や無煙タバコを上回る規模に成長した。Cストアは昨年、エナジードリンクを140億ドル以上販売し、クーラーボックスの多くはエナジードリンクで占められている。

セルシウス飲料の成長と戦略 セルシウスもエナジードリンクメーカーとして、レストラン業界への進出を図っている。ペプシと提携することでレストランへのアクセスを拡大し、各種エネルギー飲料を導入して売上増加を図る戦略だ。CEOのジョン・フィールドリー氏は、「セルシウス飲料を導入したレストランチェーンは、導入後売上が上がる」と語っている。

レストラン業界とエナジードリンク 多くのレストラン企業が飲料売上の再構築を図っており、エナジードリンクはその有力な解決策と見なされている。サブウェイが飲料契約を見直し、ペプシを選択した背景にも、エナジードリンクの売上拡大を狙う意図があった。飲食業界で売上を回復するためにエナジードリンクを導入する動きが広がっており、スターバックスがこの分野に参入するのも理にかなった戦略である。

 

FMDIフードビジネス多店舗展開研究所の最新情報をお届けします

コメントを残す