第503話(米国最新情報)2024年の消費者の食事の好みと消費習慣の変化:US Foodsの調査結果から

パトリシア・コーブが2024年10月8日に伝えています。

2024年、レストランでの食事体験に対する消費者のニーズが変化し、特にテイクアウトやデリバリーといった選択肢に対して、外食の需要が高まっていることがわかりました。これは、US Foodsが実施した「Diner Dispatch」調査によるもので、今年の消費者のレストラン利用状況が昨年と比較して明らかになりました。

外食が再び注目される理由

2024年の調査によれば、食事だけでなく、レストランの雰囲気や社交の場を求める消費者が増加し、テイクアウトよりもフルサービスのレストランでの食事を選ぶ傾向が強まっています。実際、2023年には外食を好む人が43%だったのに対し、2024年には55%に上昇しています。

また、外食客の平均月間支出も増加しており、2023年の166ドルから2024年には191ドルに上っています。この増加はインフレやメニュー価格の高騰が一因とされていますが、それでも消費者はレストランでの体験に価値を見出しているようです。

男女の支出傾向に変化

さらに興味深いのは、女性の外食に対する支出が男性を上回るようになっている点です。2024年には、女性が男性より33%多く外食にお金をかけており、これは2023年の逆転現象を物語っています。前年では、男性の方が19%多く外食費を使っていました。

人気のレストランタイプとカジュアルダイニングの躍進

ファストカジュアルレストランが依然として人気ではありますが、調査によると、最も好まれるレストランのスタイルはカジュアルダイニングです。2023年には63%だったこの選択肢が、2024年には69%にまで上昇しています。食事そのものだけでなく、居心地の良い雰囲気やコミュニケーションの場としてレストランを選ぶ傾向が強まっていることが伺えます。

印刷メニューの再評価

パンデミック中に導入が進んだQRコードメニューは、その便利さから一時的に人気を集めましたが、2024年の調査結果によると、あらゆる年齢層の顧客が印刷メニューを好むようになっています。特にZ世代においては、2023年には69%の支持だったのに対し、2024年には90%が印刷メニューを選んでいるという驚きの結果が出ています。

レストラン体験の重要性

US Foodsは、顧客のレストラン内での体験が、収益性と顧客ロイヤルティの向上に引き続き重要な役割を果たしていると結論付けています。消費者のニーズに敏感に対応し、満足度を高めることで、飲食業界全体がさらなる成長を遂げることが期待されています。

US Foodsのシニアバイスプレジデント兼CMOであるダイアン・ハンド氏は、「今年で2年目となる2024年ダイナーディスパッチ調査は、消費者の食事体験に対するアプローチを深く理解し、昨年からの変化を詳しく分析しています。これにより、レストラン運営者が成功するための手助けをしていくことができます」とコメントしています。

2024年も、消費者の食事の好みや行動に合わせた戦略が、レストラン業界を牽引する鍵となりそうです。

 

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