第560話AIで職を失う人が増えても、日本の人手不足は解消しない理由
― 店舗ビジネスは「AIを使える現場」が勝つ時代へ ―
今日はAIによる大失業時代が、人手不足解消となるか考察します。
最近、「AIで多くの仕事が消えていく」という話題が注目を集めています。一方、日本では外食・小売・介護・建設・物流を中心に、人手不足はむしろ深刻化しています。
実はこの2つの現象は直接つながっておらず、AIで職を失う人が増えても、日本の人手不足は解消しないのが現実です。
今日はこの構造を、店舗型ビジネスの視点からわかりやすく整理してみます。
■ AIが奪うのは「ホワイトカラーの仕事」
AIが最も代替しやすいのは、以下のような“デスクワークの反復業務”です。
- 経理・総務・事務
- 資料作成
- 営業の定型タスク
- Webライティング
- コールセンター対応
つまり、大企業に多い中間層のオフィスワーカーがもっとも影響を受けます。
■ 一方、深刻な人手不足は「現場産業」に集中
外食・小売・宿泊・物流・介護・建設…。
いま最も人が足りないのは、ほとんどが肉体労働・現場労働です。
- 高齢化が進み担い手が減った
- 若手が入ってこない
- 労働条件が厳しく魅力が薄い
こうした現場に、AIで職を失ったオフィスワーカーが流れ込むことはほぼありません。
結果:AI失業者は増えるが、現場の人手不足はそのまま。
これが日本の“構造的人手不足”の正体です。
■ 人が来ないから、AI・ロボット導入が一気に進む
外食・小売・物流では、すでに以下のような“省人化”が加速しています。
- モバイルオーダー・セルフ会計
- 配膳ロボット・厨房ロボット
- 無人倉庫・自動仕分け
- AIによる在庫管理・需要予測
- 面接・研修・マニュアル作成のAI活用
つまり、**AIが人の仕事を奪うのではなく、「人がいないからAI・ロボットを使わざるを得ない」**という状況です。
多店舗展開を考える企業にとっても、AI導入は“先進的な選択”ではなく“必須のインフラ”になりつつあります。
■ これから価値が上がるのは「AIを使える現場人材」
店舗型ビジネスは、次のような人材が圧倒的に不足します。
- AIを使いこなす店長
- 店舗データを分析できるSV
- ロボットやAI機器を現場オペレーションに組み込める人
- 標準化×AIを組み合わせて成果を出せる人
つまり、必要なのは“AIの専門家”ではなく、
「AIを使って店舗運営を改善できる人」
です。
FMDIで支援している企業でも、
「AIを使える店長がいる店だけ売上が伸びている」
という現象がすでに起きつつあります。
■ まとめ:日本は「AI失業 × 人手不足」の二極化へ
- AIで職を失うのはホワイトカラー中心
- 外食・小売・介護などの現場は依然として人手不足
- このギャップは埋まらない
- 現場産業はAI・ロボットで省人化を加速
- 店舗ビジネスは「AIを使える現場」が勝つ時代へ突入
これからの多店舗化・FC化は、
AIを前提にした“仕組み設計型”の組織が求められます。
FMDIでは、
・AIを使える店長・SVの育成
・AIを活用した店舗オペレーションの再構築
・FC本部のAI標準化モデル
こうした“AI時代の店舗づくり”を強化したプログラムも準備していきます。
