第559話chocoZAPがFC化に踏み出した本当の理由
―日本の店舗ビジネスに起きている構造変化を読む
無人・24時間・月額3,000円台という手軽さを武器に、急速に全国拡大を続けてきた「chocoZAP」。
このブランドがいよいよ フランチャイズ(FC)展開 に踏み出しました。
私は、長年KFC日本でフランチャイズ本部側の仕組みづくりに携わり、現在は店舗ビジネスの多店舗化・FC化・M&Aを支援していますが、今回のchocoZAPの決断には、非常に大きな意味があります。
それは単なる「直営→FC」の拡大ではなく、
『店舗ビジネスは “モデルを磨き上げてから広げる時代” に完全に移行した』
という象徴的な出来事だからです。
■ chocoZAPが「まず直営」で全国1,800店舗を構築した理由
これは、私がKFC時代に学んだ原理原則そのものです。
フランチャイズは “本部の仕組みづくりの完成度” が成否を決めるビジネス。
そのため最初の数年は、
- モデルの再現性
- 収益構造
- 立地条件
- オペレーション
- カニバリの影響
- 顧客維持の仕組み
- トラブル対応のDX化
これらを徹底的に直営で検証する必要があります。
chocoZAPが直営で1,800店舗も作り続けたのは、まさにこの「仕組み経営」の思想そのものです。
しかも同社は、
損益分岐点を極限まで引き下げた “超スリムな店舗モデル”
を確立しました。
これにより、都市部だけでなく、地方・郊外・過疎地まで出店可能になった。
これは、店舗ビジネスにおいて極めて重要なブレイクスルーです。
■ なぜ今、FCなのか?
私の見立てでは理由は3つあります。
① モデルが完成した
無人運営・低稼働型・シンプル機器という「直営で磨いた再現性」が整った。
② 地方出店には“地域オーナー”が不可欠
ジムは地域性ビジネスです。
地域に根ざしたオーナーの力を借りることで、
- 地域医療
- 健康づくり
- コミュニティ活性化
- 遊休物件活用
といった地域課題に応える展開が可能になります。
今回の安曇野市FC1号店のオーナーが医師である点も象徴的です。
本部だけでは手の届かない領域を、地域オーナーが補完する形です。
③ “一気通貫の拡大フェーズ” へ移行
国内8,000店舗という巨大目標に向けて、
直営だけではスピードが追い付かない段階に入りました。
これはKFCでもマクドナルドでも、一定規模を超えると必ず起きる現象です。
■ 坂本から見た「chocoZAPのFC戦略」の本質
私が今回の事例から強く感じたのは、次の一点です。
『FCとは本部の成長戦略ではなく、地域の成長戦略になりつつある』
静岡県内10店舗を地域企業へ譲渡したのもその証拠です。
地域企業が地元密着で運営することで、
- 地域の雇用
- 遊休物件の活用
- 健康習慣の普及
- 地域課題の解決
を実現しながら、ブランド価値をともに高めていく。
これはまさに “共創型フランチャイズモデル” と言えます。
■ 日本の店舗ビジネスに広がる「スリム化×地域共創」の潮流
chocoZAPのFC化は、
今後のフランチャイズモデルのあるべき姿を示しています。
- 低投資・低運営コスト
- 小商圏モデル
- DXによる省人化
- 地域オーナーとの共創
- 直営で磨いた再現性の提供
この組み合わせが、多店舗化の“勝ちパターン”になります。
FMDIとして支援させていただく企業にも共通して言えることですが、
最初は「勝てる一店舗のモデル」を徹底して作り込み、
その次に「再現性の構築」、
そして「仕組みとしてのFC化」へ進む。
これは、どんな業種でも変わらない原理原則です。
■ まとめ
chocoZAPの決断は、
日本の店舗ビジネス全体にとって非常に大きな意味があります。
そして同時に、これからFC化を目指す企業にとって
“必ず押さえるべき5つのポイント” を改めて示しています。
- 直営でモデルを磨き上げる
- 収益構造をスリム化する
- 地域オーナーと共創できる設計にする
- 品質統一の仕組み(DX・KPI・マニュアル)を作る
- 小商圏で成立するモデルにする
FMDIとしては、このような潮流をいち早く読み、
「三位一体経営(多店舗化 × FC化 × M&A)」の視点から、
企業の成長戦略をこれからも支援していきます。
