第566話 2025年を振り返って、2026年への期待
― フードビジネス多店舗展開研究所(FMDI)視点で見る課題と、2026年への期待 ―
2025年は、外食産業・店舗ビジネスにとって「静かだが確実に構造が変わった一年」だったと感じています。
表面的にはコロナ禍からの回復が一巡し、売上も一見落ち着いてきたように見えます。しかし現場に入ると、経営者・店長・SVの多くが、これまでとは質の異なる違和感や限界を感じ始めている。FMDIとして、この一年はその“兆し”を数多く見てきました。
■ 2025年に顕在化した課題感
1.人の問題は「人数」ではなく「構造」の問題へ
人手不足は依然として続いていますが、2025年に強く感じたのは「人がいない」よりも「育たない」「任せられない」という声です。
短期研修や属人的なOJTでは、数値管理・マネジメント・改善思考が身につかない。結果として、店長が疲弊し、オーナーが現場に引き戻される構造が温存されています。
2.多店舗展開・FC化が“止まる企業”と“進む企業”の二極化
出店意欲はあるが、
・2店舗目が踏み切れない
・FC化を考えたが設計できない
・加盟希望はあるが断らざるを得ない
こうした相談が増えました。原因は明確で、「再現性」と「標準化」が未整備なまま拡大を考えている点にあります。
3.数字が“見えているつもり”で、使われていない
PLはあるが、意思決定に使われていない。
月次報告はあるが、改善アクションにつながらない。
2025年は「数字はあるが、現場を動かしていない」企業が非常に多い一年でした。
■ それでも2025年は“準備の年”だった
一方で、2025年は悲観すべき年ではありません。
FMDIに相談に来られる経営者の多くが、次のような問いを持ち始めています。
- このまま自分が現場に立ち続けてよいのか
- 店長・SVの役割を再定義すべきではないか
- 仕組みで回るモデルに変えられないか
これは非常に前向きな変化です。
「気合と根性」から「設計と育成」へ。
2025年は、多くの経営者が“次のステージに進むための違和感”を自覚した年だったと言えるでしょう。
■ 2026年に向けた期待と展望
2026年は、「仕組みを持つ企業が一気に前に出る年」になると見ています。
- 店長育成を短期研修からロードマップ型へ
- 多店舗・FC展開を感覚ではなく設計で進める
- M&Aを“最後の手段”ではなく“戦略の一部”として考える
こうした企業は、環境変化に振り回されず、着実に成長していくでしょう。
FMDIとしても、
- ミニフランチャイズ本部構築プログラムの本格展開
- 22週間の店長即戦力化プログラム講座の推進
- 多店舗・FC・M&Aをつなぐ三位一体の成長設計
- 現場で“実装できる”数値管理と育成の仕組み
これらをさらに磨き込み、2026年は「結果が出る企業」を一社でも多く生み出す年にしていきたいと考えています。
■ 最後に
環境が厳しいからこそ、経営の質が問われる。
2025年は、その現実を突きつけられた一年でした。
そして2026年は、
「準備してきた企業が、静かに強くなる年」です。
現場を信じ、仕組みをつくり、人を育てる。
その覚悟を持つ経営者と共に、FMDIはこれからも伴走していきます。
2026年が、皆さまにとって“次の成長曲線に乗る一年”になることを心から期待しています。
