第270話 コロナ禍と3月実績と多店舗展開

日本フードサービス協会から外食の3月度実績の発表があった。

中身を見てみるとファーストフードが検討しているのがよくわかる。外食全体の既存店前年比が   82.7%であったがファーストフードは93.1%その中で洋風ファーストフードは99.1%と検討している。

 そのファーストフードの中で飛び抜けているのが日本ケンタッキーフライドチキンだ。

既存店前年比 108.2% 、マクドナルドが99.9%、モスバーガー100.9%と外食の中では好調さを維持しているが、KFCNお108.2%は群を抜いていると言える。

 KFCは過去1年間の売上実績でも既存店前年比 110.1%と昨年度の好調さをそのまま維持していることがわかる。

 その要因はなんなのか。このコロナ禍の逆風の中 前年を10%近く上回るその要因は?

  一つは昨年からの好調さに加えて、コロナ禍という逆風がKFCの得意であるテイクアウト/デリバリーが大きく作用していると言える。

 KFCは以前よりテイクアウト比率の大きなビジネスモデルであり、早い時期からデリバリーもピザハットを経営していた経緯もあり自前のデリバリーシステムを構築してそのノウハウは蓄積されている。

 最近スタートしたウーバーイーツ等を活用した付け焼き刃のデリバリーとは明らかに違うと言える。

 特にテイクアウトは売上全体の7割近くを占めており、テイクアウトビジネスには一日の長があると言える。

 次にあげるのが、メニュー戦略。 500円のワンコインメニューは以前からトライを繰り返し、期間限定で販売してきたが、今年の1月からレギュラーメニュー化しており単品で買うと910円とコストパフォーマンスの良さが消費者に受けたと言える。

 また、「シェアーBOX」を3月4日から販売し価格が1500円と高額あるが、コストパフォーマンスが良く好調である。

 そして、ビールの導入店舗を拡大しています。ゴールデンウイーク用の戦略なのか居酒屋が不調の中、家呑みを含めて好調に推移している。

 コロナ禍の中、各社テイクアウト、デリバリーへと売上確保に走っています。

テイクアウト、デリバリーとも簡単なものではありません。外に出るほどリスクが増大することを覚悟しなくてはなりません。そして、一歩間違えると母店であるはずの店舗の評判を落とすことになる事を考えて、慎重に進めるべきであると思います。

日本フードサービス協会より3月度の実績が発表になっています。詳細を見てみましょう。

<外食市場3月の動向>

新型コロナウイルスの影響が直撃し、売上は前年を大幅に下回る

<全体概況>  
  3月は、外食産業も新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響を大きく受けることになった。2月最終週の政府による大規模イベントなどの自粛要請以降、店内飲食の客数が繁華街立地、ディナー時間帯、土日祝日での減少が顕著で、居酒屋・DRなど飲酒業態を中心に、FR、大型商業施設のフードコートなどの売り上げに大きな打撃となった。特に東京都から「週末の外出自粛」要請が出された3月下旬に一段と客足が落ち、3月の外食の全体売上は82.7%と東日本大震災の減少幅(前年比89.7%)を上回る減少となった。

<業態別概況> 

・ファーストフード業態

FFは、引き続き、テイクアウト、宅配、ドライブスルーなど、「持ち帰り」需要が下支えしたが、商業施設のフードコートをはじめ店内飲食の客数が振るわず、全体売上は93.1%と前年を下回った。

「洋風」、「和風」、「その他」は店内飲食の減少を、持ち帰りが下支えし、それぞれ売上は99.1%、92.8%、90.7%。

「麺類」は、商業施設立地の落ち込みが大きく、売上81.4%。

「持ち帰り米飯・回転寿司」は、弁当・惣菜、回転ずしのテイクアウトなどの持ち帰り部分の下支えがあったものの、「回転寿司」の店内落ち込みが大きく、売上88.3%となった。


・ファミリーレストラン業態

全体売上は78.8%と前年を大幅に下回った。

「洋風」と「和風」は、月後半にかけて客数が一段と下がり、売上はそれぞれ75.0%、69.6%。

「中華」は、餃子などのテイクアウト・デリバリーが下支えとなり、売上は90.4%。

これまで好調を続けてきた「焼き肉」もついに前年を下回り、売上は93.3%となった。


・パブ・居酒屋業態

飲酒業態は、本来は送迎会シーズンの宴会需要が大きいはずだが、今年はキャンセルが相次いだ。 郊外立地や地域密着店などでは当初比較的下げ幅が小さい店も一部あったが、2月最終週の政府の自粛要請のよる落ち込みと、3月下旬の東京都の「週末の外出自粛」要請による2段階の落ち込みで、軒並み売上は下がり、「パブ・ビアホール」は前年の半分にとどかず、売上46.5%、「居酒屋」は売上58.6%となった。

・ディナーレストラン業態
ディナーレストランは、繁華街立地の店の一部では集客がほぼ無い日があるなど、休業や時間短縮を余儀なくされる店も増えて、売上は59.5%となった。
 

・喫茶業態 

新型コロナの影響で、商業施設立地店の落ち込みが大きかったうえ、路面店でも客足が落ち、売上は75.3%となった。

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