第277話 クラウドファンディングに活路
新型コロナの影響で苦戦が続く飲食店で生き残りをかけて必死の戦いが続く。
クラウドファンディングや前払いシステムに活路を見出そうとしている。
移動制限が解除されたとはいえ、客数は間違いなく戻りきっていない。ニューノーマル(新常態)の中ではソーシャルディスタンスは当たり前になり、今までと同じ条件では7割程度の確保が限界であろうと推測される。
これから、店舗づくりもニューノーマルに基づいた提案が求められる。その意味では店舗デザイナーに課せられた課題は大きいと言える。また、店舗での衛生管理の一層の強化と仕組み化が必要になってくる。
そんな中で、第二波の感染拡大も視野に入れて、売上を維持する仕組みとして広がりつつある
飲食店のクラウドファンディングの活用だ。
日経電子版ではその事例を紹介している。
神戸市の居酒屋展開の企業がクラウドファンディング大手のキャンプファイヤーのサイトを通じて支援を募った。コロナ禍を乗り越える支援をしてほしいと訴え、5千円分の食事券を3千円で提供するなどの支援額に応じた返礼品を揃えた。結果は目標額を6割上回る323万円が集まった。
国の持続化給付金等も受け取り、なんとか急場をしのいだ。今は全店営業を再開している。
大阪でも居酒屋がクラウドファンディングを利用し5千円で店内での五千五百円分の飲食に使える食事券を提供し123万円ほどを募った。
もちろん経費の全額を賄えるわけではないがクラウドファンディングの活用は一つの方法として定着する様だ。
ポイントはただ支援してもらうだけでなく、返礼品としてより良い商品を開発していくことだと活用した経営者は語っている。
もう一方で、こちらも神戸での事例が紹介されている。
代金前払いサービスの「ハロトコ」を活用して売上を上げている。
ハロトコは飲食店に特化し支援を求める店と支援を差し伸べたい客とをネットでつなぐ。利用した飲食店は7月以降に店舗で使える1枚千円のクーポン券11枚を9千円で売るなど3種類を用意した。5月の2週間ほどで60万円ほどを集めた。
と伝えている
公的な支援は当然欠かすことはできないが、民間のこの様な仕組みの活用が欠かせないと結んでいる。
前払い予約等で多くのメリットを受けることができればお客様としても前払いの意味がありまた、予約のキャンセルでの損害を防ぐことにも貢献できそうだ。
しかし、どこでもクラウドファンディングや代金前払いサービスが機能するかは、支援者にいかにお返しができるか。魅力的な返礼品ができるか工夫が必要であろう。