第296話  コロナの影響と9月実績

コロナの影響はいまだに大きな影を落としている。

経済産業省が9月の商業動態統計の速報を見てみます。

経済産業省が発表した2020年9月の商業動態統計速報によると、商業販売額は43兆6910億円(前年同月比12.8%減)となった。

このうち小売業は12兆1010億円(8.7%減)、卸売業は31兆5900億円(14.8%減)だった。

百貨店・スーパー販売額は1兆5681億円(12.8%減)で、百貨店は3708億円(34.0%減)、スーパーは1兆1973億円(3.0%減)となった。

百貨店の主力商品である衣料品は、その他の衣料品が46.9%減、婦人・子供服・洋品が38.4%減、身の回り品が38.0%減、紳士服・洋品が36.4%減となったため、衣料品全体では38.5%減となった。飲食料品は15.0%減となった。

その他は、その他の商品が42.0%減、家具が36.8%減、食堂・喫茶が35.9%減、家庭用品が26.3%減、家庭用電気機械器具が6.9%減となったため、その他全体では39.8%減となった。

スーパーの衣料品は、その他の衣料品が34. 4%減、紳士服・洋品が28.7%減、婦人・子供服・洋品が27.9%減、身の回り品が21.1%減となったため、衣料品全体では27.2%減となった。スーパーの主力商品である飲食料品は、3.6%増となった。

その他は、家庭用電気機械器具が31.5%減、食堂・喫茶が31.0%減、家具が28.1%減、その他の商品が19.4%減、家庭用品が17.0%減となったため、その他全体では20.2%減となった。

百貨店の前年比34%減少はずば抜けている。その中で衣料品の落ち込みが激しい。スーパーも衣料品のダメージが34.4%マイナスとなっている。
(*流通ニュースより)

日本フードサービス協会が9月実績を発表していますのでみてみましょう。

 

コロナ新規感染者数は下げ止まりで、回復は限定的


<全体概況>
コロナの新規感染が8月上旬をピークに減少傾向を見せはじめたことで、特に月後半の4連休(シルバーウイーク)には一部で売上が前年並みまで回復、外食全体の売上は前年同月比86.0%と前月より2ポイント増えた。しかし、感染者数は“下げ止まり”で、企業の在宅勤務が続く中、特に繁華街・ビジネス街、ディナー時間帯、飲酒業態の営業は苦戦している。また、前年より休日数が1日少なく、西日本が台風の影響を受けたことも回復に水を差したといえる。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは、引き続き業種間で回復に差があるものの、テイクアウトとデリバリーの需要が堅調な洋風が牽引し、全体売上は95.5%となった。 

「洋風」は、ドライブスルーのテイクアウトやデリバリーの浸透などもあり、前月ほどではないものの好調な売り上げで103.3%となった。

「和風」は、高単価品やセットメニュー等を投入するも繁華街・ビジネス街での客足が戻らず、売上は92.8%。

「麺類」は、昨年の好調と比べると、回復が緩やかで、売上84.6%。

「持ち帰り米飯・回転寿司」は、回復基調はあるが雨天の外出自粛もあり、売上94.0%。

「その他」は、「アイスクリーム」が、昨年好調だったキャンペーンの反動もあり、8月と比べて▲6.7ポイントの83.6%となった。

ファミリーレストラン業態

FRは、月後半にかけて客足が緩やかに回復し、全体売上は80.3%となった。

「洋風」「和風」「焼肉」は、4連休に前年並みまで回復するところもあり、売上はそれぞれ75.7%、77.7%、91.7%と前月より上向いている。

「中華」は、引き続きテイクアウト・デリバリー需要の支えもあり、売上91.3%と前月並みとなった。


パブ・居酒屋業態

飲飲酒業態は、東京都による飲酒業態の営業時間短縮要請(15日まで)や、夜の時間帯の客足の停滞、ほぼ皆無の法人の大規模宴会などから、業態全体の売上は51.1%、「パブ・ビアホール」は売上44.4%、「居酒屋」は52.8%と、大幅回復への道のりは未だ遠い。

 

ディナーレストラン業態
ディナーレストランも、Go Toトラベルの旅行客など、立地によって集客の差がみられるものの、宴会需要ではなく小規模の会食を中心に少しづつ回復し、売上は71.3%となった。

 

喫茶業態 

依然としてビジネス街立地での客足の戻りが弱く、売上は72.5%となった。

 

 

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