第361話 原材料の高騰と12月実績

食材等の原材料が急速に上がり始めている。

牛タンなどは仕入れ価格が倍になったと言う話も出ている。

高止まりする食材価格を、仕入れ方法のみで調整するのは難しい状況となりつつある。

輸入牛肉はミートショック状態だと指摘する専門家もいる。

農水省の発表を見ても昨年の1月10日の週と比較して今年の状況は

輸入牛肉 110.9%、 国産牛肉 100.6%、 豚肉   98.5%、 鶏肉   98.4%

マグロ   118.0%、ぶり    123.4%、さけ    105.9%

特に輸入に頼っている食材、また国産でも肥料が輸入に頼っているものがコロナの影響で海外からの物流に影響が出ていることから回復には時間がかかりそうだ。

特にスケールメリットを活かせない中小企業は大きな打撃となるようだ。

メニューの見直しで付加価値をどれだけ付ける事ができるか企業の工夫が問われている。

 

日本フードサービス協会から12月の実績が発表になっているので見てみましょう。

 

<外食市場12月の動向>

営業制限解除後も夜の需要戻らず、市場の勢いを取り戻せていない


<全体概況>
飲食店への営業制限がなかった12月の全体売上はコロナ禍第3波の影響を受けた前年と比べて109.5%となったものの、コロナ前の一昨年比では92.0%と、外食産業の売上は厳しい状況が続いている。年末の帰省需要など、小人数の外食需要の一部で戻りがみられたものの、全体としては夜間の外食需要は依然として戻っていない。特に大口の企業宴会などが戻っていない飲酒業態は、一昨年比で未だ54.7%と回復には程遠い。店舗数が約一割減少するなど、業態そのものの構造が変容しており、コロナ禍が収束したとしても元のようには戻らない可能性が高くなった。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは、全般的に好調で売上は前年比104.9%、そして一昨年比101.3%と、コロナ禍前の売上をも上回った。 

「洋風」は海外からの食材調達に支障が生じたためメニュー提供の制限を余儀なくされたところもあったが、引き続きテイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが堅調で、売上103.6%、コロナ禍前の一昨年対比では109.4%となった。

「和風」は、メディア露出や新商品の展開が奏功し、売上は107.7%、一昨年比でも102.2%と上回った。

「麺類」は、商業施設への来店が戻りつつあり、全体売上103.9%となるも、一昨年比では84.7%に終わった。

「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「回転寿司」業態において年末の帰省客が増加したこと等が寄与し、売上は105.0%となった(一昨年比96.6%)。

「その他」は、「アイスクリーム」で月末寒波の影響があったが、各商業施設で客足が戻ったことで、売上107.7%となった。しかし、一昨年比では90.8%とコロナ前の水準には達していない。

ファミリーレストラン業態

FRの全体売上は112.9%となったが、一昨年比87.2%と、コロナ前には戻っていない。
「洋風」はアルコールのお得なキャンペーンなどの好評で、売上は111.6%となったが、一昨年比は81.6%となった。

「和風」は年末の少人数による宴会需要を一部取り戻し前年比112.9%(一昨年比82.6%)。一方「中華」は、これまで好調を維持していた店外需要のみならず、店内需要も戻り、売上110.7%、一昨年比でも102.0%となった。

「焼き肉」は、年末にかけて郊外店舗を中心に客足好調、前年比で売上119.0%、前々年比でも101.9%となった


パブ・居酒屋業態

飲酒業態はコロナ下で営業制限が無くなった初めての年末となった。年末を中心に少人数の個人客の戻りが見られたこともあり、コロナ第3波の影響を大きく受けた昨年と比べると、売上は144.3%となったが、企業の忘年会などの予約がほぼない中、コロナ前の一昨年比では54.7%に過ぎない。

「パブ・ビアホール」の売上は、昨年比160.2%となるも一昨年比は56.3%、「居酒屋」も同様に昨年比は売上138.0%であったが、一昨年比では54.0%に留まった。大幅に市場が縮小し、業態として大きな曲がり角に来ている。

 

ディナーレストラン業態
法人の利用は未だ低調が続くも、個人単位での利用は比較的底堅く推移した。高単価の店の需要は高く、売上は124.8%になったが、一昨年比では78.8%と依然厳しい。

 

喫茶業態 

月間を通じて目立った規制もなく営業でき、またクリスマスのキャンペーンが奏功したことなどから、売上は111.9%となったが、未だ一昨年対比では80.1%に留まっている。

 

 

FMDIフードビジネス多店舗展開研究所の最新情報をお届けします

コメントを残す