第365話 メタバースの接客人材育成と1月実績

ついに仮想空間であるメタバース空間で接客や販売に従事する人材を育てる事業が始まったと日経MJが伝えている。

パーソルホールディングス傘下のパーソルマーケティング(東京・新宿)はメタバース空間でアバター(分身)を通じて販売や接客にあたる人材の育成に乗り出す。4月にサービスを本格化し、関連の事務作業員などを含めて2年で3000人の稼働を目指す。空間内における電子商取引(EC)の活用が進む中、働く人材を育成して派遣や業務受託などを通じて雇用創出を目指す。

 

まず3月をめどに数人の接客員が稼働する実証実験を開始する。メタバース空間で商品の販売や展示を検討する企業を募り、アバター技術提供などでIT(情報技術)事業者とも協業する。自社の派遣登録者の活用を第一に想定するが、新規雇用も合わせ、初年度で1000人規模を稼働させる計画を立てる。

 

パーソルは販売員派遣などのノウハウを生かし、接客マナーやコミュニケーション技術といった教育を実施する。仮想現実(VR)機器の操作方法も教えるほか、ネット世界で身を守るリテラシー研修も実施する予定だ。事業展開支援などはPwCコンサルティングと連携する。

当初はパーソルのオフィス内の専用センターからメタバース空間に勤務する。高性能のパソコン機器などの環境を整備してノウハウを身につけてもらい、その後は自宅などリモート環境下での就労も取り入れる。

 

日本フードサービス協会から1月の実績が発表になっているので内容を見てみましょう。

 

<外食市場1月の動向>

各地でまん延防止等重点措置の適用、再びの営業制限で店内飲食は失速


<全体概況>
2022年1月の全体売上は2021年1月比で112.2%となったが、これはあくまでも2回目の緊急事態宣言で売上が大きく落ち込んだ2021年1月の前年同月比(79.0%)からやや回復したことを意味するにすぎない。
昨年末のコロナ感染者数減を受けて年始は個人や家族客に回復の兆しが見られたが、新変異種「オミクロン株」の出現で再び感染者が急増した。1月9日以降は各地でまん延防止等重点措置が適用され、特に店内飲食中心のレストラン業態・飲酒業態が失速、全体売上はコロナ禍前の19年比で88.5%となった。また従業員家族などの感染もあり、店舗の人員確保にも影響が及んでいる。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFの全体売上は店外消費の下支えもあり、コロナ禍でも好調を維持し、2021年1月対比で106.2%、19年1月比でも106.7%となった。 

「洋風」はテイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが変わらず堅調、新メニューも好調で売上105.9%(19年比124.1%)。

「和風」も、新商品が引き続き好調で、売上は105.8%(19年比100.0%)。

「麺類」は、前年の緊急事態宣言下で酒類が19時までに制限され売上を大きく下げた「らーめん」等の反動もあり、2021年1月比104.5%となるも苦戦は変わらず、19年比では79.2%。

「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「回転寿司」のキャンペーンやデリバリーの拡充等が寄与し、売上は106.9%、19年比でも99.9%となった。

「その他」は、「カレー」が昨年ほどの落ち込みは見られず、また「アイスクリーム」がテイクアウト販売に工夫するなどで好調を維持、売上111.0%となった(19年比97.2%)。

ファミリーレストラン業態

FRの全体売上は、大きく下げた2021年1月(対20年1月比65.4%)からの戻りは鈍く、2021年1月比で120.1%となるも、19年比では76.4%に留まった。
 「洋風」は、年始の期間限定メニュー等のキャンペーンが好調だったが、その後失速し、売上は2021年比120.6%(19年比70.6%)。

「和風」も、年初の家族宴会などの好調から一転、オミクロン株の感染拡大で失速し、緊急事態宣言が出た2021年1月対比で119.1%、19年比では70.9%。

一方「中華」は、テイクアウト等の下支えが引き続き堅調で、売上111.3%、19年比も98.3%となった。

「焼き肉」は、2021年1月ほどの休業店舗数には至らず、売上130.3%、19年比で90.2%となった。


パブ・居酒屋業態

2022年1月は、緊急事態宣言の影響を受けた昨年同月と比べると154.8%と一見大幅増に見えるが、コロナ禍前の19年対比では35.0%とコロナ以前への回復には程遠い。年初は新年会需要なども見られたが、その後は予約キャンセルが相次ぎ、まん延防止等重点措置の適用以降は休業する店舗もあった。

業種別に見ると、「パブ・ビアホール」の売上は昨年同月比182.6%(19年比38.1%)、「居酒屋」は昨年同月比145.6%(19年比33.9%)であった。

 

ディナーレストラン業態
家族などのグループ需要はあるが、法人の新年会はほとんど見られず、売上は激減した昨年同月の反動で136.7%になったが、19年比では65.2%と苦しい状況が続いている。

 

喫茶業態 

全国各地で実施されたまん延防止措置により、特に都市部や商業施設、観光地で大きな影響を被り、売上は昨年同月比119.9%(19年比71.7%)。

 

 

 

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