第468話 回転ずし業界に革新をもたらす新装置を発表

北陸の金沢市に拠点を置く回転ずしコンベヤー製造の大手、石野製作所は、回転ずし店に向けた最新の装置を発表しました。この新技術は、客席のパネルから直接すしを注文できるシステムや、使用後の皿を自動で洗浄し、職人の元へと運ぶ機械を含んでいます。この進化は、迷惑行為の防止と労働力不足の解消を目的としています。石野製作所は、2025年度にグループ売上高100億円を目標としています。

東京で開催された「国際ホテル・レストランショー」で、同社は「エンタメレーン」と呼ばれる装置を披露しました。この装置は、客席のサイドに設置された横長の液晶パネルを通じて、その日のおすすめのネタを注文できる仕組みです。注文は画面をタッチするだけで、選んだすしはパネル上部のレーンを通じて直接届けられます。

過去には、SNSで拡散された客による迷惑行為が原因で、多くの回転ずしチェーンがすしの回転提供を停止する事態に至りました。石野製作所は、回転するコンベヤーではなく、客席まで直接届けるコンベヤーへの注文が増える傾向にあることを受け、この新システムを開発しました。

また、厨房の人手不足に対応するため、皿を自動で洗浄し、乾燥させ、分別後に職人のもとへ運ぶ「ストックシステム」も開発されました。このシステムは、1時間に最大1800枚の皿を処理でき、職人の労力を軽減し、省人化に貢献します。

富士経済によると、2023年の回転ずし市場は前年比3.8%増の7530億円に達すると予測されており、非接触のニーズやサイドメニューの充実により成長が続いています。市場は今後も拡大傾向にあり、2025年には8000億円を超えると見込まれています。

石野製作所は、外食業界の人手不足や賃金上昇の背景から、すし業界だけでなく、イタリアンや中華など他の業界からも相談が増えているとしています。会社は、この展示会でさまざまなニーズに対応する新しいコンベヤーシステムを紹介し、業界内での革新を目指しています。

 

 

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