第582話日高屋はなぜ炎上したのか?
「日本人がすぐ辞める」発言から見えた外食産業の本質
外食チェーン「ハイデイ日高」が展開する「日高屋」の社長発言が波紋を広げました。「日本人はすぐ辞める」という趣旨のコメントが報道され、多くの批判を集める結果となりました。
一見すると、経営者の不用意な発言が炎上しただけの出来事に見えます。しかし、この問題の本質はもっと深いところにあります。これは単なる“発言問題”ではなく、日本の外食産業が抱える構造的な課題が表面化した事例だと捉えるべきです。
人手不足の本質は「人」ではなく「仕組み」
今回の発言の背景には、慢性的な人手不足があります。特に外食産業では、若年層のアルバイトや正社員の定着率が低く、「採用してもすぐ辞める」という現象が日常化しています。
しかし、ここで考えるべきは「なぜ辞めるのか」という点です。
単純に「日本人の問題」と片付けてしまうのは危険です。実際には、以下のような構造的要因が重なっています。
- 労働環境の厳しさ(長時間労働・不規則シフト)
- 教育体制の未整備(属人的な指導)
- 評価・成長の見える化不足
- 店舗運営の負荷が現場に集中している
つまり、「人が辞める」のではなく、「辞めざるを得ない環境が存在している」と言うべきでしょう。
外国人頼み経営のリスク
日高屋をはじめ、多くの外食チェーンでは外国人労働者の活用が進んでいます。これは現実的な選択であり、今後も重要な戦力になることは間違いありません。
しかし、ここにも落とし穴があります。
「日本人が辞めるから外国人で補う」という構造が固定化すると、根本的な問題は解決されません。むしろ、
- 教育コストの増大
- コミュニケーションロス
- サービス品質のばらつき
といった新たな課題を生み出します。
本来やるべきは、「誰が働いても回る仕組み」を作ることです。
これからの外食経営に必要な3つの視点
今回の騒動から、経営者が学ぶべきポイントは明確です。
① 属人経営からの脱却
「できる人に頼る」経営は限界です。マニュアル化・標準化・教育の仕組み化が不可欠です。
② 店長・SVの育成
現場の定着率は、店長のマネジメント力で大きく変わります。
“人を育てる力”を持った店長を育成することが、最も重要な投資です。
③ 働きやすさの再設計
単なる待遇改善だけでなく、「成長実感」「やりがい」「心理的安全性」を設計する必要があります。
FMDI坂本視点:人は辞めるもの、だから仕組みで勝つ
私はこれまで900店舗以上の現場を見てきましたが、共通して言えることがあります。
それは、「人は必ず辞める」という前提に立つことです。
重要なのは、“辞めないようにする”ことではなく、“辞めても回る仕組みを作る”ことです。
そのためには、
- 教育の標準化
- 数値管理の見える化
- 店長の即戦力化
この3つが不可欠です。
まさに、私が提供している「店長即戦力化プログラム」は、この課題に対する解決策そのものです。
まとめ:今回の騒動は「他人事ではない」
今回の日高屋の騒動は、決して一企業の問題ではありません。
日本の外食産業全体が直面している課題の縮図です。
・人が足りない
・人が育たない
・人が定着しない
この三重苦を乗り越えるためには、「人」に依存する経営から脱却し、「仕組み」で成長する経営へシフトする必要があります。
経営者が変われば、現場は変わります。
そして現場が変われば、企業は必ず成長します。
今こそ、“人が辞めることを前提にした経営”へと進化する時です。
