第302話 居酒屋の業態変更は吉か。
コロナ禍で打撃を受けている外食ですがアフターコロナも含めてその対応に余念がない。
先回10月の外食の実績をご報告しましたが、全体では売り上げ前年比94.3%と90%台に回復しているが内容はご案内の通り業態によって大きく差が出ているのが実態です。
ファーストフードが101.8%と回復しているのに比べてパブ/ビアホール、居酒屋等のお酒を扱う業態の前年比は63.7%と7割にも到達していない状況です。
11月の状況が発表になっているマクドナルドは売り上げ前年比で109.6%と好調を維持しています。KFCは118.9%と相変わらずの好調さを維持しています。このままクリスマスに突入すると昨年に引き続き最高売り上げを記録しそうな勢いです。
各社コロナ対応に急いでいますが、最も気になるところは居酒屋業態からの業態変更の状況がどうなったかです。
ワタミが12月9日に焼肉の和民大鳥居店の売り上げ状況を発表しています。
改装前の居酒屋業態と比べて10月から11月は前年同期比で2.8倍になったと発表しています。
居酒屋業態が60%台と前年比40%ダウンの中「焼肉の和民」は好調に推移しているようです。
同社は10月5日、既存の居酒屋業態120店舗を焼肉の新業態「焼肉の和民」に転換することを発表。「焼肉の和民」は、11月12日奈良県・大和八木南口駅前店、11月24日大阪府大東市・住道北口店、12月9日大阪府大阪市・南海難波店とオープンし、全国計10店舗の開店を達成した。
また、焼肉の和民「関西グランドオープン記念として、12月18日~22日の5日間、関西3店舗での同時キャンペーン開催を決定。12月23日~27日までの5日間には 全国8店舗同時で「10店舗突破感謝」キャンペーンを実施する。
両キャンペーンでは、顧客への感謝の気持ちを込めて「焼肉の和民半額チケットバック」を行う。
キャンペーン期間中の対象店舗で飲食すると、飲食金額の半額分(税込)相当を食事券にてチケットバック還元する。
と発表しています。
最近の感染者の再拡大でお酒を扱う業態への営業時間のさらなる短縮要請が出そうな様子です。
12月、1月の忘年会、新年会の宴会需要が企業の自粛もあり全く望めない状況下での営業時間短縮要請はとどめを刺しそうな勢いです。
今回の「焼肉の和民」の好事例が居酒屋の業態変更への勢いを増すことになりそうです。