第356話 この時期だから考えたい従業員定着施策 その3
先月に引き続き、従業員の定着施策その3をお送りします。
前回は外交人労働者について考察しましたが、今回は企業理念について考察します。
企業理念、経営理念、社是等々。経営書、経営セミナーでは経営理念の重要性を説いています。
我々多店舗展開を目指す企業には絶対と言っていいくらいに重要なポイントです。
こんな数字があります。何年か前にある資料に乗っていた内容です。
ある、リサーチ会社が日本の中小企業1万社にアンケートをとりました。
その内容は、『企業理念ありますか?あなたの会社に経営理念はありますか?』という質問です、その答えは
53% あります
43% ありません
4% 無回答
という結果だそうです。皆さんはこの数字を見てどう感じられるでしょうか。
私は、53%あるんだという反面半分の企業がないことに驚きました。
冒頭申し上げたように、どの経営の教科書にも『経営理念』の重要性が謳われています。
でも、日本の中小企業の実態はご覧の通りです。それでも会社を運営し、従業員を雇って業績をあげているわけです。従業員の皆さんに自分の会社がどこに向かって何を目的に仕事をしているのか、いわゆる大義は何なのか。どう説明しているんでしょうか。
チェーン店で多店舗展開を目指す企業には絶対的に必要です、最重要な項目です。
最初に問われるのが、2号店目です。2号店目を出すときには経営理念が完全な形でないとしても自分たちが何のためにこのビジネスをしているのか、どう社会に貢献していくのか。共有する場面が出てきます。 そうです、2号店の店長との間でこのことが共有できて初めてお店を任せることができるというわけです。いつも一緒にいるわけではないですから重要なんです。
もちろん、3号店、4号店と店舗が増えるたびに痛感することですし、対応すべきことです。その後多店舗展開でFCシステムの導入しFC加盟店を募集し、契約していきます。
そのときに、妥協してはいけないのが『経営理念』含めてビジョン、ポリシーの共有 です。
ここを怠りますと、すぐには問題は顕在化しませんが必ず障害になります。
同じ方向を向いて、協力してブランドを育て社会に貢献していこうという理念が共有できていることで共に大変な時期や局面を協力して乗り切ることができるんです。
フランチャイズビジネスも必ずしも最初から順風漫歩というわけではありません。厳しい時期を経験することになることも多々あります。
特に1970年当時日本に上陸した外食も決して順調ではありませんでした、FC
加盟店も各地域で2〜3店舗くらいは苦戦をして乗り切った会社も非常に多かったと記憶します。でも頑張れたベースは『経営理念』ビジョン、の共有で同じ方向を向き、そのブランドを一緒に育てていこうとする強い意志に他ならなかったと言えます。
多店舗展開、フランチャイズ展開をしている企業で『企業理念』の存在していない企業を未だに見たことがありません。皆さんその重要性を理解されていると思います。
次は、どう従業員そして、FC加盟店に徹底して共有させることができるかです。
各社色々な方法をとっています。でも最も大事なのは、経営者が自分の声で、自分の言葉で直接お話しすることです。そのことをどれだけやり続けれるかにかかっていると言ってもいいようです。
そんな企業を何社も目の当たりにして決め手は『社長の熱意とリーダーシップ』だと確信しました。