第357話 11月実績と2022年
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
2021年はコロナで明けて、コロナに暮れた1年間でした。コロナは沈静化に向かっているものの経済の状況は非常に厳しいです。
特に海外と比較した時にコロナの対応と相まって経済の活性化の違いはどう見たら良いのか、アメリカなどは経済の過熱を抑えるべくFRBが利上げを口にするほどの状況であり、大きな違いを感じます。
政府の経済対策の違いが大きく影響していることは言うに及ばず、消費者マインドも大きく影響しているのでしょうか。
2022年はコロナの状況がどうなるか関心はありますが、新種のコロナ株は感染力は上がっても毒性は弱くなっておりインフルエンザ並みとなるのか。そんな中で消費者マインドがどう変化するか注視していく必要があります。
アフターコロナに向けて多くの企業は動き出しています。特に個人起業が増えていることも影響するでしょう。
一方で、テクノロジーの進化は外食DXの展開、そしてバーチャル空間でのビジネスの拡大、メタバース等のプラットホームの拡大が2022年の目玉として大きく貢献すると考えられる。
仮想空間での自分と、現実世界での自分が存在する時代がすぐそこに来ています。
現実世界ではしがないサラリーマン、仮想空間では世界をまたにかける大金持ちのビジネスマンなんていうことが夢ではなくなりそうです。仮想空間での貨幣が現実世界でも通用するわけですから。
そんなことを考えながら、2022年を考えたいと思います。
年末にかけて食材コストが急騰しており、また原材料の輸入の遅延などコスト高要因の多い年末年始となってしました。
日本フードサービス協会から11月の実績が発表になっていますので確認してみましょう。
<外食市場11月の動向>
- 営業制限がとれ概ね緩やかな回復基調の一カ月
<全体概況>
全国的に約1年ぶりに営業時間短縮要請が解除され、酒類提供の制限も無くなり、好調が続くFF洋風の牽引で全体売上はほぼ前年並みの99.8%、一昨年比で91.8%まで回復した。飲酒業態は前年比96.8%と回復の兆しが見える。11月は希望を取り戻した一カ月だが、新しい生活様式の表れか、夜間の客足は鈍い。特に飲酒業態は一昨年比では51.9%と、コロナ前の半分にしか戻っておらず、マーケット回復に向け課題が多い。
<業態別概況>
■ファーストフード業態
FFは、引き続き「洋風」がけん引し売上は前年比101.9%、コロナ禍前の前々年比では103.1%となった。
「洋風」は時短解除により他業態に顧客が流れる動きもあるが、依然テイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが堅調で売上103.6%、コロナ禍前の一昨年対比では115.2%となった。
「和風」は、来客が戻り新商品も好調で、売上は102.4%となった。
「麺類」は、昼時の来店が復調し、全体売上99.6%。
「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「持ち帰り米飯」業態においてパック詰めによる商品提供が好評であったものの、要請解除による他業態への顧客流出もあり売上は前年比97.7%となった。
「その他」は、「カレー」で持ち帰りが好調、「アイスクリーム」は各商業施設のブラックフライデーの販促などから、売上102.8%であった。
■ファミリーレストラン業態
FRの全体売上は95.2%、「洋風」は時短要請から解除されたものの夜間の客足が鈍く、売上は94.9%となった。
「和風」は特に夜間の集客に苦労し93.1%。
一方「中華」は、引き続き持ち帰りが好調で、かつ若年女性などへ顧客層を幅広く拡大させ、売上100.7%。
「焼き肉」は、夜間来客の戻りが遅いことに加え、以前の営業時間帯に合わせた労働力確保が追い付かず、前年比では売上94.3%となった。
■パブ・居酒屋業態
飲酒業態は深夜まで開店可能になったことによる集客効果があり、回復の兆しが見える。パブ・居酒屋業態全体の売上は前年比96.8%、一昨年比では51.9%。「パブ・ビアホール」の売上はコロナ第3波が発生しはじめた前年を超え111.4%(一昨年比54.2%)、一方「居酒屋」は91.0%(一昨年比50.8%)と業種間で差が生じた。
■ディナーレストラン業態
飲酒業態と同様、時短要請の解除で客足が戻りはじめ、売上は100.7%(一昨年比では80.0%)になった。酒類の解禁や持ち帰り需要も寄与し回復傾向となったが、団体需要は依然芳しくない。
■喫茶業態
新型コロナの新規感染者数が落ち着いたことで、商業施設や繁華街の店舗で人の流れが戻り、売上は105.2%となった(一昨年対比では77.7%)。