第373話 変わるビジネス街ランチ事情

コロナ禍で働き方が大きく変化をしている中で、オフィスワーカーのランチ事情に変化が現れているようだ。在宅勤務で出社日が減っている事がランチにも変化を生み出しています。

 

働く女性1食590円、7円高

そんな事情を日経新聞が伝えています。内容を紹介します。

 

ビジネス街の飲食店の取り組みを見直すことになるでしょうか?

 

オフィスワーカーの昼食代が上昇している。新型コロナウイルス禍を機に「おひとりさまランチ」が定着し、好きな店でプチぜいたくを楽しむ人が増えていることなどが背景にある。自分の使いたいところにお金を使おうという消費志向が昼の憩いにも広がってきた。

 

新生銀行の「2021年サラリーマンのお小遣い調査」によると、男性会社員の昼食代は前年比64円増の649円。直近10年で最高値となった。女性会社員も590円と前年比7円増えた。

 

「自分だけなら予定も調整しやすく、息抜きにもなる」。東京・丸の内で働く30代女性は1年ほど前から、週2~3回の出勤にあわせ、ランチをグルメサイトで予約している。コロナ禍前は同僚と連れだってオフィス街の飲食店に行くのが普通だった。テレワーク推奨で同僚と出勤日がずれることが増え、様々な店を楽しむようになった。

 

少し奮発して好きなメニューを選ぶのも楽しみ。サイト予約でポイントもお得に使える。

スターツ出版の女性向け情報サイト「オズモール」によると、平日ランチのおひとりさま予約数は21年にコロナ禍前の2019年比3.7倍。一人でも利用しやすいプランや対応する店舗が増えてきたこともあり、一人ランチ予約がスタンダードになっている。

 

一人なら個性的なメニューも選びやすいとあり、飲食店のメニューの幅も広がっているようだ。ファンケルが東京・銀座で展開するのが、玄米イタリアンのカフェ&ダイニング「FANCL BROWN RICE MEALS」だ。玄米を中心に全てのメニューがグルテンフリー。5種類からメインが選べるプレートランチ(1650円)が人気で、美容や健康に関心のある若年女性を中心に好評だ。

 

来店客の4割がおひとりさま。同社の鈴木友梨氏は「外食需要喚起策『Go To イート』をきっかけに一人で来店する人が増えた。日常の一つとしてコロナ禍収束後もおひとりさまランチは続く」とみる。

一方、ランチはなるべく節約したい人もいる。エデンレッドジャパン(東京・千代田)の「ビジネスパーソンのランチ実態調査」では、ランチを欠食したことがある20代の約半数が食費の節約を理由としている。

 

安くおいしく食べたい社員に、雇う企業が配慮する動きもある。式場などを運営する八芳園(東京・港)が21年12月に導入したのはOKAN(東京・豊島)が主に社員食堂を持たない企業向けに運営する置き型社食「オフィスおかん」だ。

 

オフィスに設置した専用の冷蔵庫から、どれでも1品100円の総菜のうち好きな物を選んでレンジで温めて食べる仕組みだ。「一般的な社食を設置するのに比べてコストを抑えられる上、食品ロスも減らせてSDGs(持続可能な開発目標)にもつながる」(八芳園の平沼快允氏)という。

 

ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏は「コロナ禍で出社や外食の頻度が減って出社時の1回のランチにお金をかけやすくなった一方、物価高で消費を抑制できるところは抑えたいという節約志向も併存する」と分析する。その日の志向で奮発する時もあれば安く済ませる時もある。柔軟な消費者が増えているようだ。

 

と結んでいる。

 

FMDIフードビジネス多店舗展開研究所の最新情報をお届けします

コメントを残す