第374話  3月実績と多店舗展開

3月の売り上げ実績が発表になっています。

概ね昨年比較では上回っているものの、2019年度対比では外食全体でも86.3%という状況である。

百貨店の売上統計が2019年度比の売上を出していますが84.8%と同様な推移を見せている。

 

外食の中も業態によって大きく差が出ている。特に居酒屋の2019年度比で29%は厳しい現状を物語っている。
現在、原材料の高騰が大きく立ちはだかっており外食の回復を阻害している。

 

 

全国百貨店売上状況
3月の売上高は4.6%増、入店客数は2.9%増と、共にプラス転換した。
まん延防止等重点措置の解除による外出機会の増加や消費マインドの高まりに加え、各社
が企画した外商催事や会員施策、各種イベントなどが寄与した。春物商材や増勢が続く高額
商品の他、新生活需要を背景にオケージョンアイテムも好調に推移した。2019年比では
売上高15.2%減、入店客数27.8%減となった。

 

日本フードサービス協会発表外食の3月実績

<外食市場3月の動向>

全国で客足やや戻るも、内外情勢の変化で足踏み状態が続く


<全体概況>
3月の外食の全体売上は前年対比105.9%となったが、コロナ以前の2019年比ではまだ86.3%にとどまっている。桜開花の時期が訪れ、気温の上昇とともに人流が増加し、加えて22日以降は新型コロナまん延防止等重点措置が全国すべての地域で解除となり、外食店舗はコロナ規制の無い通常営業に戻れたが、人手不足、円安、国際流通の停滞等による原材料費の高騰などが、外食全体の回復に水を差している。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは、前年比106.6%で引き続き外食の全体売上を牽引。一方、感染者数が拡大し外国人の再入国が難しい状況の中で、従業員不足が生じ、営業の機会損失を余儀なくされたところもあった。 

「洋風」は、原材料費高騰による価格改定もあり、売上は前年比108.9%となった。

「和風」は、深夜営業の再開で店内飲食が増え、売上は107.9%。

「麺類」は22日以降の客足回復が目立ち売上107.2%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、“まん防全面解除”の22日以降も来客数に大きな変化はないものの、割引キャンペーンが奏功し、売上は100.2%。「その他」は、気温の上昇につれて「アイスクリーム」で持ち帰り需要が増加し、売上102.8%。

ファミリーレストラン業態

FRは、前年比104.0%となったが、2019年比では75.0%とコロナ以前への回復には未だ道半ば。
「洋風」は、週末の家族連れ客が増え、割引キャンペーンが奏功し、売上は102.4%となった(2019年比では66.3%)。

「和風」は、消費者マインドの回復には未だ遠いものの、キャンペーンやメディア露出などにより、売上102.0%(2019年比では79.0%)。

「中華」は、テイクアウト商品の好調に加え、酒類提供の再開で店内飲食も好調、売上は107.2%(それでも2019年比ではまだ94.4%)。

「焼き肉」は、深夜営業ができるようになり、食べ放題メニューの提供で集客力が向上、売上は108.4%(2019年比では85.4%)。


パブ・居酒屋業態

上旬と中旬は営業時間や酒類販売の制限緩和、下旬はまん延防止全面解除で、売り上げが回復し、「パブ・居酒屋」の全体売上は104.3%となったが、店舗減少と営業制限の影響は続き、2019年比では31.5%にとどまった。

「パブ・ビアホール」の売上は122.8%と前月同様に一見大きな伸びを見せたが、2019年比では37.0%。

「居酒屋」の売上も96.2%に終わった(2019年比29.0%)。

 

ディナーレストラン業態
年度末の歓送迎会や春休みシーズンの需要に一部復活の動きがみられ、またアルコール提供の制限緩和などにより、売上は108.8%となったが、下旬までの営業時間短縮が響き、売上は2019年の65.4%にとどまっている。

 

喫茶業態 

ショッピングセンターや住宅地の店舗は未だ変化が鈍いものの、22日以降はオフィス街店舗で客足が戻る傾向にあり、売上は106.2%となった(2019年比では78.0%)。

 

 

 

 

FMDIフードビジネス多店舗展開研究所の最新情報をお届けします

コメントを残す