第383話 食べログ問題と5月実績

食べログ問題が映すもの

東京地方裁判所は6月16日、グルメサイト「食べログ」で飲食店の評点を計算するアルゴリズムについて、運営会社のカカクコムが行った2019年の変更は独占禁止法違反であるとして、同社に3840万円の損害賠償の支払いを命じた。

多分ほとんどの消費者は、食べログの店舗評価がそんな厳密なものだとは思ってもいなかっただろうが、でもその評価に振り回されていたのは事実だ。

又その評価が来店客に直結するという事から、必死に評価をあげることに奔走した。

皆が良いと言っているからきっと良いだろうと、自分で判断する事を放棄した消費者そしてその評価で美味しい良い店だと思っている。ミッシェランを思い出す、評価を金で買っていると非難された事を。

審査員に媚びないと良い評価を貰えないと頑なに拒否している店もある。

 

SNS然り、サイト側が恣意的に評価なり判断をしていくことは今のこの情報システムの時代に危惧されることの一つである。

食べログも飲食店の紹介サイトであった本来の機能を大事にして欲しい、そしてその評価内容が公表されずグレーのままでこれから利用する飲食店、利用する消費者の理解を得ていくことは難しいと言える。

このままいくと訴訟は増えていくのではと心配になる、外食全体にとっては決して良いイメージではないのだから。

 

日本フードサービス協会から5月の売り上げ状況が発表になりました。その内容を見ていきます。

<外食市場5月の動向>

3年ぶりに行動制限のない大型連休で、家族客中心に回復傾向も夜の集客は戻らず


<全体概況>
5月の全体売上は120.4%と前年を大幅に上回った。昨年は大都市圏での緊急事態宣言により、酒類提供店や商業施設等への休業要請があったが、今年はGWが3年ぶりに行動制限のない大型連休となり、家族客を中心に客足が回復した。しかしながら飲酒業態などを中心に夜間の客足の戻りは鈍く、さらに業界の人手不足が売上回復の足かせになって、特に「パブ・居酒屋」はいまも苦戦が続いている。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

全体売上は105.7%となった。行動制限の緩和により外食の選択の幅が広がり、テイクアウト需要の勢いは各社でまちまちとなったが、FF洋風を中心に広がったデリバリーや注文のデジタル化など、利便性への支持は衰えず、業態の全体売上を支えている。ただしコロナ前の19年比で108.2%という結果は、FF洋風の好調に支えられたもので、そのほかの業種では苦戦しているところが少なくない。 

「洋風」は、各社まちまちの前年比となったが、期間限定商品の好調に加え、コロナ前からの多様な施策の展開により、基本商品の売上は着実に伸び、売上101.8%。19年比でも126.2%とコロナ前を大幅に上回った。

「和風」は昨年の価格改定による単価上昇や新商品の好調などから、売上107.9%。

「麺類」は、今年は酒類提供ができたことや、商業施設での販売回復で、売上122.9%。

「持ち帰り米飯/回転寿司」は、テイクアウト需要の一服から「持ち帰り米飯」で反動減が見られたものの、「回転寿司」は連休の家族客を中心に集客好調で、売上102.0%となった。

「その他」は、「カレー」は店内売上の回復、「アイスクリーム」は商業施設での回復が顕著で、売上108.9%となった。

ファミリーレストラン業態

全体売上は、136.7%と対前年比は大きく伸びたが、19年対比では86.1%で戻りは鈍い。家族客が回復し、ディナー時間帯の時短制限等はなかったが、夜間の集客はまだ取り戻せていない。
 「洋風」は売上129.1%、「和風」は売上146.7%となるも、19年比では未だ8割前後にとどまり、回復は道半ば。

一方「中華」は、引き続き持ち帰りが堅調の上、店内飲食の回復も著しく、売上127.0%。

「焼き肉」は、連休の集客が好調で売上159.6%となった。「中華」と「焼肉」はともに19年比でも100%を超えている。


パブ・居酒屋業態

「パブ・居酒屋」は、売上468.9%と一見驚異的な回復に見えるが、昨年は大都市圏の酒類提供店が休業要請を受け、多くの店舗が休業し、また時短営業した店舗ではランチ限定の営業が多く、売上が非常に小さかったことによる。

昨年、一昨年とコロナで大打撃を受けた飲酒業態は、実際には未だ“法人需要”と“夜間の客足”が戻らず、回復に頭打ち感も出ている。19年比では売上54.7%と、他業態と比べると回復に大きな差が出ている。

 

ディナーレストラン業態
飲酒業態と同じく、売上は200.1%と見かけ上は大幅上昇となった。今年はディナー時間帯に営業でき、連休中の個人客の集客が好調、またコロナ禍で取り組んだテイクアウト弁当等も売上を支えた。一方で、人手不足や夜間の客足回復に課題が残り、19年比では89.2%となっている。

 

喫茶業態 

今年の売上は、休業を余儀なくされた昨年の131.4%。商業施設立地店や駅ビル等での客足が戻り、GWには観光地立地店などが好調。だがオフィス街立地店は日中の戻りが未だ十分でなく、19年比では81.7%となった。

 

 

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