第396話 コンフォートゾーンと8月実績

飲食業にとって厳しい状況はますますひどくなっています。特にパブ居酒屋業態は今年後半に向けてますます状況は悪くなっている様です。8月は2019年対比で44.2%と回復の兆しすら見せない。
外食全体も2019年対比では90.6%と7月よりも後退している中ではあるが。
そんな中で、生き残りをかけて対策を講じる事が重要です。
そもそもコロナ禍で消費者のマインドが大きく変化したが、元に戻るだろうと期待感を持って待っていたが消費者のマインドは戻らない、もし戻るとしても多くの時間がかかる事がわかってきました。
業態変更に舵を切りますか?
それとも廃業?
今の業態を磨き直す?

販売チャンネルが多様化して、食が家庭(自宅)に比重が移りその事が消費者にとってコンフォートゾーン(安心感があり居心地が良いと感じる心理領域)となってしまった。
その時にお客様にお店に来てもらうには、「それでもなぜ、お店を利用するのか?」その理由が必要な様です。そのことこそ顧客の現在のコンフォートゾーンから新たな顧客にとってのコンフォートゾーンにひっぱり出す力になりそうです。その答えを見出せるか、そこが大事なポイントと言えます。

日本フードサービス協会から8月の実績が発表になっています。

<外食市場8月の動向>
コロナ第7波のお盆休み、平日・夜間を中心に人出が減少

<全体概況>
8月は、3年ぶりに営業制限や行動制限のない「お盆休み」となり、外食各業態の売上は前年を上回り、全体売上は118.0%となったが、19年対比では90.6%と7月の同98.5%と比べると回復力が弱い。コロナ第7波のピーク時で全国の新規感染者が約26万人という日もあり、平日と夜の客足は鈍化し、特に「パブ・居酒屋」では売上が19年対比で44.2%にまで落ち込んだ。

<業態別概況>
■ファーストフード業態
テイクアウト・デリバリーの定着で好調が続き、全体売上は107.1%となった。
「洋風」は、顧客利便性を考えた施策などが好調を維持し、売上103.8%。
「和風」は、新商品を次々と打ち出し、キャンペーンが好調で、売上107.8%。
「麺類」は、持ち帰り商品のラインナップの増加などから売上121.2%となった。
「持ち帰り米飯/回転寿司」は、弁当などのデリバリーやネット注文が好調に推移し、回転寿司もコロナ前ほどではないがお盆需要が比較的堅調で、売上106.7%となった。
「その他」は、「アイスクリーム」が、お盆期間中の地方の売り上げが好調で売上108.0%。

■ファミリーレストラン業態
・全体売上は、131.5%となった。一部店舗ではお盆期間の帰省客や観光客で堅調な売上となったが、それ以外の期間や都心部などでは、売上は概ね低調に推移した。特にこれまで戻りが弱かった夜間の集客は平日を中心にさらに落ち込んだ。
「洋風」は売上127.0%、「和風」は135.9%となったが、19年対比では「洋風」76.2%、「和風」77.4%と、回復までまだ遠い。
「中華」は、店内飲食、持ち帰りともに堅調を維持し、売上123.9%、19年比で99.0%となった。「焼き肉」も、堅調に推移して売上150.8%、19年比で92.1%となった。

■パブ・居酒屋業態
昨年はコロナ第5波のピークで酒類提供が制限されていたことから、「パブ・居酒屋」の売上の対前年比は442.7%となった。だが、新規感染者が拡大した7月後半以降は宴会のキャンセルが続出し、大口の宴会はほぼなくなり、小口の宴会もキャンセルが相次いだ。19年対比では6月をピークに下降し、前月の53.3%からさらに下回り44.2%となった。一部店舗では継続的な人手不足に加え、従業員の感染者や濃厚接触者が増加し、スタッフの確保が困難で営業に支障が出るなどの苦境が続いている。

■ディナーレストラン業態
売上前年比は153.9%ながら、コロナ第7波の中でお盆の集客は思ったほど伸びず、書き入れ時であるはずの8月にもかかわらず、宴会のキャンセル等で売り上げは停滞、19年比は68.7%にとどまった。

■喫茶業態
営業時間制限がなく、新商品の発表や価格改定により客単価は上昇し、売上は対前年比125.7%となるも、主にオフィス街において客足が伸びず、19年対比では76.1%にとどまった。

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