第418話 客テロ対策と1月実績

飲食店への客テロと言われる迷惑行為は後を経たないが、企業側でも対策に力を入れている。
そんな中「くら寿司」が開発した対策「新AIカメラシステム」を公開した。
一度取られた皿が再びレーンに戻されるなどの不審な動きを検知できる。迷惑行為への対策の「切り札」として全店舗に導入した。

迷惑客がレーン上を流れるすしに唾液(だえき)を指先で塗りつけたり、ワサビをのせたりする動画が投稿されたり。迷惑動画の拡散は1月末から目立っており、警察に被害届を出す店もあったのはご存知の通りです。

外食各社は、料理を楽しむ雰囲気を壊さない範囲で安心・安全を担保するという難題を突きつけられています。

注文品のみをレーンに流す、「回さない」回転ずしチェーンも登場している様です。

ラーメン店や中華料理店など他の外食各社でも、お客様が来店するごとに調味料や水ポットなどを提供するように仕組みを変える対応をしている店舗もあります。

 

日本フードサービス協会より1月の実績が発表になっていますのでみてみましょう。

<外食市場1月の動向>

年末の流れを引き継ぎ年始需要は堅調も 原料高など厳しい経営環境が続く


<全体概況>
1 月は、昨年のような営業制限が無く年始需要が好調で、外食全体の売上は115.3%となった。コロナ第8波は上旬にピークを迎えたが、外食への影響は比較的少なく、19年比の売上は104.2%と、コロナ前を上回った。だが、これまでのJF調査結果から推定すると、外食全体の客数は19年比で90%程度にとどまっている。現在の売上は原料高と光熱費の高騰等に起因する客単価上昇の結果と考えられ、外食企業の経営状況は変わらず厳しい。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

全体売上は110.2%、19年対比では117.9%となった。 

「洋風」は、期間限定商品、季節商品などのフェアメニューが好評で、売上111.3%、19年対比では139.7%となった。

「和風」は、引き続きテイクアウト・デリバリーの堅調で売上109.6%。

「麺類」は、商業施設立地店舗の集客回復などで、売上117.4%となった。

「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」の年始のテイクアウトが好調で、また、主力メニューの価格据え置きが奏功したところもあり、売上105.1%となった。

「その他」は、「アイスクリーム」のキャンペーン商品のテイクアウトが好調で、売上105.6%となった。

ファミリーレストラン業態

全体売上は前年比119.6%、19年比では96.3%となった。
行動制限のない正月となったことで年始の家族客が増え、

「洋風」は売上117.7%、「和風」は売上123.2%。

「中華」は、テイクアウト対応の強化により売上が堅調に推移し118.2%。

「焼き肉」は、郊外店舗が引き続き好調で、売上122.7%となった。


パブ・居酒屋業態

「パブ・居酒屋」は、酒類の提供制限があった昨年との対比では売上は159.0%だが、19年比では売上58.1%と、前月(12月)の19年比(58.6%)とほぼ変わらず、売上の回復に頭打ち感が出ている。コロナを気にしない個人客の来店は増えたが、企業・団体等の宴会自粛の傾向は続いており、飲酒業態の復調を難しくしている。

 

ディナーレストラン業態
個人客の宴席は引き続き回復傾向にあり、全国旅行支援やインバウンドの増加で需要が回復した店舗も見られ、売上は134.0%となったが、法人宴会や夜間の集客は戻らず、19年比では85.0%となった。

喫茶業態 

営業時間制限の無い今年の売上は前年比119.6%となったが、オフィス街はテレワーク等の定着で客足が戻らず、19年比では85.6%であった。

 

 

 

 

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