第419話スーパーバイジング・ピラミッドと多店舗展開(2)
スーパーバイザーの経験から伝えたいこと
先般Amazonから「新時代の管理術 スーパーバイジング・ピラミッド」を出版しました。
おかげさまで多くの方にお読みいただいています。
スーパーバイジングに関してはなかなか体系的にまとめているものが無かっただけに、喜んでいただけた様です。
本書の内容は、スーパーバイザーの仕事をピラミッドに準えて、そのレベルごとに会社が取り組むべきことと、スーパーバイザー自身が取り組むべきことをあえて分けて表しました。
このことにより、スーパーバイザーの役割と会社の役割をより明確にすることができたのではないかと思います。
このブログの中で、機会を見つけて何度かこの内容に関して少しお伝えできればと思っています。
前回に引き続きその2回目です。
今回の「スーパーバイザーはブランドとチェーンの足腰を強くする」では、これから起きると思われる外食の課題に対して、スーパーバイジングの機能と役割、スーパーバイザーに求められるスキルを再度整理し、今後にどう対応すべきかを考えます。
そこでまず私が現職の中で経験した事例を振り返りながら考察を深めていきたいと思います。
私が外食に関わったのは1980年、当時外食花盛りでした。
そんな時多くの求人誌では、連日外食各社が求人広告を出していました。
求人広告の募集内容は、私が外食に対して持っていたそれまでのイメージと全く違うもので、外食の近代化の中でスーパーバイザーの存在は大きく光っていました。
外食求人の中で、スーパーバイザーはエンブレムのついたブレザーにアタッシュケースを持ったそれは格好のいい写真でした。外食にこんな仕事があるのだと初めて知った時、大きく変わっていく予感を覚えたものです。
そんなスーパーバイザーという職業に憧れて外食に飛び込んだというのが本音のところです。
私が日本ケンタッキーフライドチキンに入社し直営店で店長になった時、そこでスーパーバイザーに助けられて成長してきました。
スーパーバイザーがどうあるべきなのか。スーパーバイザーは何をすべきなのか。この時に私のスーパーバイザー感ができたと言えます。
その当時ケンタッキーフライドチキンでは、直営店のスーパーバイザーをエリアマネージャーと言っていました。1人のエリアマネージャーが7、8店から10店舗ほどを担当していたと思います。
私の店長時代は、色々と積極的に店舗で取り組む企画を考えて、実施してきました。
エリアマネージャーは、私が提案する色々な取り組みに対してノーと言ったことがあまりなかったと記憶しています。
実際には半分ぐらいは差し戻しされていたのかもしれませんが、概ね実現するためにどうするかと相談に乗っていただいたように覚えています。
それと同時に、店舗では店長にイニシアチブを取らせ、店長が店舗で働きやすい状況を作ってもらっていたと思います。
自分がエリアマネージャーとなった時、いかに店長を育成し、力を発揮してもらうために何をすべきか、自分の店長時代に指導を受けたエリアマネージャーの姿が理想形であり、目標であったことは言うまでもありません。
そして、売上対策、従業員教育、パートやアルバイト定着のための取り組み等々…アイデアをいただき、多くの取り組みをしました。
その時に、実施した取り組みは今でもあまり色褪せることなく大きな効果を生んでいます。基本的なことはあまり変わっていないのかもしれません。
amazon 「新時代の管理術(スーパーバイジング・ピラミット)」