第260話 ゴーストレストランと多店舗展開
最近ゴーストレストランという言葉が話題になってきています。メディアでも時々取り上げられています。ゴーストレストランが今後の外食を盛り上げる起爆剤になると言っている方もいます。
果たしてその実態はどうなっているでしょうか。
ゴーストレストランは、店舗開業の新しいスタイルとして注目を集めています。アメリカはニューヨークで始まったと言われているビジネスモデルです。
日本でも、広がりを見せはじめています。
ゴーストレストランは、実店舗を持たない営業形態です。ではどのようにお客様に利用いただくのか。それはデリバリーを活用してお客様にお届けしていきます。
店舗での販売は考えずデリバリーという販売チャンネルで売り上げをたてていきます。
その背景には、UberEats、出前館等のフードデリバリーサービスの台頭がこのゴーストレストランというビジネスモデルを成立させていると言えます。
もう一方でこのビジネスの成長を支える「シェアキッチン」があります。シェフのためのコワーキングスペースの存在です。
この二つの要素がゴーストレストランの発展に大きな役割を果たします。
今まで、飲食店で新規に開業したいと考えれば店舗物件を借りて、客席を含めて店舗内装を整えます。
そのための投資は少なくても5百万円、1千万円と多くの資金が必要となります。飲食店の成功にはいい立地が必要です、当然賃料もかさんできます。ゴーストレストランは客席を持たないので立地は問いません。安いビルの空中階でも厨房設備があれば成立します。最近はその設備を何人ものチェフが共有して使っています。店舗にかけるコストを最小限に抑えることで思い切って、飲食業にチャレンジしようとする人を応援します。
建物オーナーが専門の厨房を用意して、保健所の許可も取ってその場所を使ってデリバリー専門のフードビジネスを志す人を募って開業しているケースも見受けられます。今まで飲食店としては成立しない立地、物件の活路が見えてきます。
一方フードデリバリー事業の台頭が大きな力となっています。かつて宅配ピザが日本に進出した時は同じように三等立地でデリバリーに特化したことで安い賃料で展開、しかしデリバリー要員は自社で抱えていました。 今回のゴーストレストランも自社でデリマリー要員を抱えての運営であればそのコストと運営の複雑さから成立しなかったと言えます。
デリバリーという機能を外出しできることが、このビジネスモデルを可能にしています。
最近のピザデリバリーチェーンは徐々に一等立地に移動しています。その理由はテイクアウトのお客様を取り込むことを始めた時から目立つ場所に移動しています。各社今はテイクアウト比率は30%を超えているようです。自社でデリバリー要員を抱えて運営することのリスクは大きなものがあるようです。
ゴーストレストランは多種多様な業種があります。しかし、いくつかの大事なポイントがあります。
そのポイントに関しては次回以降でお伝えしていきます。
新規の飲食店が一年間で30%も廃業に追い込まれることの現実を見た時に、初期投資の少ないく立地を問わない、そして中食市場の拡大という追い風の中でゴーストレストランの拡大は大きな力となっていく予感がします。