第283話 外食の閉店と6月実績

新型コロナの影響がチェーン店を中心にの閉店に拍車がかかっている。

6月は緊急事態宣言も解除となり、各社営業も再開し戻りつつある。

売上でも前年比78.1%と4月の60.4%からはかなり戻してはきている状況である。

 

ニューノーマル(新常態)の新型コロナウィルスとの共存を余儀なくされる中で、ソーシャルディスタンス、飲食店の対応ガイドラインに沿っての営業ではこの6月の実績は限界を感じるところである。

 

そんな中、大手チェーン店の閉店の計画が次々と報告されている。

日経新聞の国内上場企業の主要100社調査での閉店計画は29日時点で1000店舗を超えると伝えている。

 

ワタミなどは、4月に営業を休止しその後売上が戻らない店舗から閉鎖を実施していく。

居酒屋のみならず吉野家も全体の5%にあたる150店舗を閉店する。

ジョイフルも収益改善が見込めない直営の200店舗を閉鎖する予定だ。

 

その背景には6月に一時回復基調にあったものの7月に再度感染拡大が影響し、客数が伸び悩み厳しい状況が続いていることがあるようだ。

 

相次ぐ店舗閉鎖は日本経済に大きな影響を与える。最新の労働力調査(5月)によれば、飲食サービス業のパートやアルバイトを含めた国内就業者数は315万人で、全就業者数の5%を占める。小売業や建設業と並び雇用吸収力が高く、食材や食器類を扱う間接事業者も多い。と日経新聞は伝えている。

 

日本フードサービス協会より6月の実績が発表になっています。

 

<外食市場6月の動向>

自粛解除で回復傾向の兆しも、飲酒業態を中心に依然厳しい状況

 

<全体概況>
6月は、東京アラートの解除、全国的な県外移動自粛の解除に伴い、飲食店の営業時間制限も撤廃されたことから、店内飲食の客足が戻り始め、客数は底打ちの傾向が強まってきた。しかし、郊外・地方立地や食事主体業態で回復の兆しが比較的早く見えてきた一方で、都心部・繁華街立地、飲酒業態などは回復が遅れるなど、業態によって大きな差がみられ、外食全体の売上は前年を大きく下回る78.1%となった。特に「居酒屋・パブレストラン」の売上は前年の4割に届かず、依然として壊滅的な状況が続いている。

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは、店内飲食が回復する一方、4月・5月の売り上げを支えてきたテイクアウト・デリバリー需要の一部が他業態に流れていき、全体売上は88.2%となった。

「洋風」は、店内飲食が戻り、キャンペーンなどの奏功で好調なところもあったが、持ち帰りの特需が一服したことで、5月の好調を維持できず、売上96.1%となった。

「和風」は、持ち帰り需要の一服で緩やかな回復にとどまり、売上は86.8%。

「麺類」は、商業施設立地店の回復がやや遅く、売上63.5%。「

持ち帰り米飯・回転寿司」は、回転寿司などで店内飲食の回復が顕著で、持ち帰り需要は一服したものの売上は93.1%。

「その他」は、86.9%となった。


ファミリーレストラン業態

FRは、他業態と比べれば店内飲食の戻りが早く、引き続きテイクアウトにも力を入れた結果、全体売上は73.5%にまで回復した。

「洋風」「和風」は、徐々に客足が戻り、売上はそれぞれ67.9%、68.2%。

テイクアウト・デリバリーの強化で比較的堅調だった「中華」は、引き続き回復傾向で、売上87.2%。「焼肉」は、自粛解除後のファミリー層などの外食需要の受け皿となり、売上は急速に回復、88.7%となった。


パブ・居酒屋業態

飲酒業態は、多くの店で営業再開を始めたものの、コロナ禍で法人需要が見込めず、個人客についても主力の繁華街立地での戻りが悪い中、一部では集客の見込めない店舗の休業・閉店を予定しており、「パブ・ビアホール」は売上34.2%、「居酒屋」は41.5%と、3月の売上急降下以来壊滅的な状況が続いている。

ディナーレストラン業態
ディナーレストランも、「パブレストラン・居酒屋」と同様に厳しい状況が続いており、一部では高価格帯の弁当が好評で売上を下支えしたものの、法人需要や繁華街での集客が見込めない中、売上は57.0%となった。

喫茶業態 

多くの店が営業を再開したものの、土日は休業する店舗、ビジネス街立地で集客不振の店舗があり、売上は62.0%となった。

 

 

 

 

 

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