第282話 新常態(ニューノーマル)下の店作りとは
コロナ対策は功を奏して一時は感染者、犠牲者数が収束に向かったと思われたが最近の第2波ともいえる感染者数の拡大には不安を感じます。
そんな中で外食は手探りでコロナ対策を始めています。そんな事例を紹介します。
ニューノーマル(新常態)、コロナと共存していかなければならない中での飲食店の生き残り作戦が日経電子版で紹介されていますので見てみましょう
飲食店へのガイドラインが示されていますが、感染予防に3蜜を避ける事が最も重要でありそのための施策が求められています。最新のテクノロジーも駆使してお客様との接触を減らす事を目指しています。
ワタミは6月に新業態のファミリー向けの焼肉店「上村牧場」を開業した。
ホール要員を減らし、回転ずしのようなレーンを使い、料理などを各テーブルへ運ぶ。注文は専用端末を通じて行い、客が店員と会話をすることはほぼない。店内の空気を約4分で入れ替えるよう設計し、家族客は安心して食事に集中できるようにしたという。
ワタミは4月には居酒屋業態の売り上げが90%減と居酒屋業態が苦戦する中で新業態に期待をかけている。将来的に国内300店海外進出も視野に入れている。
品川プリンスホテルはホテルレストラン「ハプナ」でワゴンサービスで料理提供を始めた。
ハプナはもともと人気のビュッフェサービススタイルの店舗だった。コロナ拡大で休業を余儀なくされ、お客様が取りに行くスタイルを見直しより安心して食事ができるようにと考えて、新たなビュッフェスタイルとして確立したいと考えているようだ。
和食や洋食、中華など料理の種類ごと7種類のワゴンにのせて客席を巡回し、シェフやスタッフが各テーブルごとに提供する。シェフが料理の特徴を説明しながらアツアツの状態で提供するなど、ホテルらしいサービスにもこだわった。
定食店として人気の「やよい軒」はごはんのおかわりをする際に、自動で盛り付けてくれるおかわりロボを設置し始めている。
50~200グラムの好みの量のごはんを、セットした茶わんに入れてくれる。従来は、客自らジャーからしゃもじでごはんをよそうシステムだったが、感染拡大をうけて取りやめた。多数の客が一つのしゃもじを握ったり、過度に接触するのを防ぐためだ。8月中には全国384店舗すべてに導入予定。担当者は「家族連れの子供もドリンクバーのノリで喜んでくれる」と話す。
一方で、店舗の出店立地に関しても新しい取り組みが始まっている。
特に北海道では外食が「郊外」へとシフトを始めていると伝えている。
特に札幌も中心部の店舗は客足が戻っていない中で住宅街に立地する店舗では広い敷地を生かして個室を充実させ「3密」の回避もアピールする。これまで中心部至上主義を貫いてきた出店戦略の再構築が始まった。
居酒屋、イタリアン料理店、焼き鳥店と郊外での出店に意欲を見せる。
大通駅の周辺やすすきのなど中心部の飲食店は商品の価格を限界まで下げ、満席状態の回転数を競ってきた。数百円の飲み放題サービスなど「とんでもない薄利多売」(貸しビル大手)は、東京などから進出してくる大手チェーンに対しての競争力ともなっていた。
新型コロナの感染拡大でソーシャルディスタンス(社会的距離)が重視され、収益モデルは限界を迎えつつあると。新型コロナとの共存時代では繁華街だけでなく住宅街にも広く店舗をそろえ、万全の感染症対策を打ち出す姿勢が欠かせない。
新型コロナによる売り上げ減を少しでも補おうと各社はテークアウトや宅配などを通じた販路拡大に努めてきたが、テークアウトでは単価が限られ、独自の配達手段が無ければフードデリバリーサービスへの委託料も重い。対症療法の時期を経て、各社は従来の収益モデルの本格的なテコ入れに乗り出している。と伝えている。
新たな立地戦略の価値観である、各社のコロナのなかで手探りの対応を進めて、お客様も感染状況をにらみながら飲食店を利用する機会を探っている。新型コロナの収束が見えない中で外食のお客様の安全に配慮した店舗運営の模索が続きそうだ。