第287話  コロナ影響下の7月実績

コロナ禍で緊急事態宣言が解除後復調の兆しがあったものの、7月に入り再び感染者の増加に伴い消費者のマインドは落ち込んでしまっている。

東京都では引き続き営業時間の短縮の要請が続いている。特に22時に閉店せざる得ないお酒を扱う店舗は回復の機会さえも奪われた格好となった。

 

7月の実績をブランド別に見ていくと好調であったKFCは既存店前年比127.3%と好調さを維持している。

マクドナルドも101.4%、モスバーガー106.6%と既存店で前年をクリアーしてきている。

牛丼チェーンはすき家の一人勝ち状態102.7%だ。吉野家は94.3%と前年割れが続いている。

 

厳しい居酒屋で鳥貴族は76.8%となっている。この時期ビアガーデン等が出店できず大きな痛手と言える。

都心部のサラリーマンの在宅勤務で影響を受けているカフェ間駅ではサンマルク69.8%、ドトール68.8%と苦戦を強いられている。

逆に郊外型の店舗が強い開店すし業態は売上も戻し始めている。スシロー96.5%、くら寿司92.3%。

 

日本フードサービス協会から7月の実績が発表になっています。確認してみましょう。

 

<外食市場7月の動向>

新型コロナウイルスの感染再拡大により、回復傾向にブレーキ

 

<全体概況>
7月は、前半の店内飲食に回復傾向がみられ、ファーストフードなどのテイクアウト需要の伸びとあいまって、外食全体の売上は、前年比85.0%となった。

しかし、月半ばからは、東京・大阪等でのコロナ感染の再拡大や、小中学校の夏休みの短縮、西日本等を中心とした長雨などが客足に影響し、多くの業態で依然として厳しい状況が続いている。また、立地・業態間で回復のばらつきがあり、住宅地に近い“郊外立地”の店舗は比較的回復の一方、“繁華街立地”の店舗は苦戦が続いている。さらに、飲酒を伴う業態では他業態より回復が遅く(パブ・居酒屋前年比47.2%、ディナーレストラン65.5%)、月の後半には客数の前年比が再び降下し始め、回復への道のりはまだ遠い。

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは、業種間で差がみられるものの、店内飲食の回復とともに、テイクアウト・デリバリー需要の牽引で、全体売上は96.4%と、減少幅は前月(88.2%)より縮小した。

「洋風」は、キャンペーンなどの好調に加え、新型コロナ感染再拡大による巣ごもり需要もあり、ドライブスルー等、テイクアウト・デリバリーが好調、売上は再び105.1%と前年を超えた。

「和風」は、持ち帰り訴求のCM等が奏功したところもあり、売上は回復基調の96.1%。

「麺類」は、引き続き商業施設立地店の回復がやや遅く、売上79.8%。

「持ち帰り米飯・回転寿司」は、回転寿司の回復が一服し、売上は94.7%。

「その他」は、「アイスクリーム」が、梅雨明けの遅れ等から気温が上がらず足踏みの中、売上87.0%となった。


ファミリーレストラン業態

FRは、月後半に客足が鈍り、回復傾向がやや鈍化、全体売上は77.4%となった。

洋風」「和風」は、例年の夏休み需要がなかったこともあり、回復鈍化、売上はそれぞれ72.5%、72.2%。

「中華」も、回復が一服して売上88.6%。

「焼肉」は、各社まちまちとなったが、郊外立地の店舗が月前半に回復したことで、95.3%となった。


パブ・居酒屋業態

飲酒業態は、住宅地に近い郊外店を中心に客足が戻るなどで月前半には回復がみられたものの、コロナ感染が全国的に広がるにつれ、月半ばから再び客数は減少傾向。

「パブ・ビアホール」は売上35.0%、「居酒屋」は50.0%と、前年の半分程度で、壊滅的な状況が続いている。

ディナーレストラン業態
ディナーレストランは、法人需要が見込めない中、個人客や家族宴会を中心に、月前半には回復傾向となったものの、コロナ感染の再拡大とともにキャンセルが相次ぎ、月後半は失速した。
売上は弁当販売が下支えし、65.5%となった。

喫茶業態 

テレワーク等によりビジネス街立地での朝・昼需要が伸びず、回復はやや遅く、売上は66.8%となった。

 

 

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