第286話   ゴーストレストラン(ゴーストキッチン)の「課題」

第286話   ゴーストレストラン(ゴーストキッチン)の「課題」

アメリカからの報告でもゴーストキッチンの仕組みの重要な側面が、需要だと指摘している。フードデリバリーは爆発的な成長の直前状態にあるとアナリストたちは考える。L.E.K.コンサルティング(L.E.K. Consulting)はレストランのデリバリー売り上げは次の3年で敷地における売り上げと比べて300%早く成長すると予測している。この転換はまだ完全には現実とはなっておらず、また多くのアナリストたちは都市部やある種のレストラン業を過剰に強調する可能性はある。「ほとんどのレストランにとって、デリバリー部門は収益全体の一桁だ」と言っている。

 

  • ブランド認知

ブランド認知も重要なままだ。「調理された料理を自宅へ届けるデリバリーの大部分は顧客がすでに知っているレストランからとなっている」と。新しいレストランが隠れたスペースからマーケティングのみで認知されていくというゴーストキッチンのようなビジネスは、一度も訪問したことがない店からも注文できるほどの気軽さを消費者が持っていることに賭けている。

そのためアメリカではゴーストレストランは意欲的なレストラン経営者やインキュベーターではなく、定評のあるレストランやシェフと提携することがよくあります。実店舗でのアイデンティティがなければ知られることは難しいと言える。

しかし、日本でも今回のコロナ禍でデリバリーでオーダーすることに対する抵抗が少なくなったようです。

 

  • コスト構造の違い

ゴーストレストランで大きな利点は出店コストの低減である。デリバリーのため立地は3等立地で十分であり家賃負担は格段に違う。

厨房を整備してレンタルする仕組みを利用するのであれば、毎月の厨房使用料で営業ができることは大きな利点と言える。そのために起業を目指す若いシェフ、調理人が多いのも特徴である。

そこから成功して、実店舗につなげていく成功者が出てくるであろう。

客席がないことからサービス要員は必要ないから人件費は格段に違ってくる。ここは優位な部分と言える。

しかし、デリバリー、テイクアウトはそのための包材コストがかかるため、店舗での提供よりはコストが上がることに気をつけておくことが必要です。

もう一点、デリバリーコストが価格に含まれることで相対的に高く見えてしまいます。価格以上の価値を提供することが問われます。

 

利益率からいうと客席のある店舗よりは高いと言える。問題な客席のある店舗以上の売り上げが確保できるかである。

 

 

  • デリバリー企業とのアライアンスの課題

デリバリーというリソースを他社に依存するビジネス形態であることから起こる問題がいくつかあります。

どのように運んでいるのか、お客様とどの様な接客をしているのかわからないということです。

ここは、ピザチェーン等のデリバリー要員を自前で抱えている企業とのデリバリーの質の差がはっきり出ています。

中にはデリバリー中の料理をつまみ食いなんていう不届きものまで発生しています。その時問われるのは提供しているレストランです。最近は一度開けると開けたことがはっきりわかる仕組みのパッケージ等も出ており、工夫が必要です。

  • 品質管理の重要性

テイクアウトもデリバリーも花盛りですが、提供する料理に「今日中にお召し上がり下さい」「2時間以内にお召し上がり下さい」「冷蔵保管」等々注意点をしっかり明記することが求められます。

どうせ、すぐ食べるのだからとタカをくくっていると思わぬ落とし穴があります。

すぐ食べるとどうしてわかるんですか?

もしかしたら、何時間後かに食べるかもしれません。確かにデリバリーは食べたい時に頼むものですから、すぐに食べていただけると想定できますが、テイクアウトと同様に実はいつ食べているのかわからないのが実態です。

書中毒が発生した場合にビジネスにとって致命傷になります。

しっかりと、賞味期限を明記し保管方法も明記しておくことです。

そして、その賞味期限にはなぜその時間なのかのエビデンスが必要です。

さらに、アレルゲンの表示も欠かさないようにしましょう。アレルゲンは量が多ければホームページ等で明記しそちらを見てもらうこともできます。

 

  • 働く人のモラル向上の難しさ

客席がないことの意味は非序に大きいと言える。お客様がいないと働く人の緊張感が全く違うということです。この緊張感をしっかりと持たせることが出来ないと思わぬ事故につながります。

通常レストランだけ見ていると感じませんが、お客様がいないところでの作業は注意が必要です。

一つは身だしなみです、外からの通勤用の服装でそのまま調理をしている姿を見ます。

なぜ、一般の飲食店でユニフォームを用意してシフトイン時着替えるのかそのことの意味を忘れています。食品を扱うという意味では一緒です。

お客様が見ていないと整理整頓ができていないケースがあります。ここも事故につながるため通常の飲食店の厨房と同じ管理が求められます。

同時に、衛生管理の徹底も達成したいものです。

 

ゴーストレストランはこれから大きく発展する可能性を占めた飲食業のビジネスモデルです。

すでにゴーストレストランのフランチャイズ展開も日本で始まっています。

健全に大きく成長することを願って課題をまとめてみました。

 

 

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