第291話 入国制限緩和と8月実績

日経新聞電子版は全世界からの入国制限を緩和するとの政府の発表を報じている。

 

新型コロナウイルスの感染拡大以降、滞っていた外国人の往来が進む見通しとなった。政府は25日、3カ月以上にわたって日本に滞在する在留外国人の全世界からの新規入国を、10月1日から順次認める方針を決めた。人手不足に悩む企業は歓迎の構えだが、感染リスクを抑える手立ても欠かせない。と報じている。

 

菅義偉首相は25日の新型コロナ感染症対策本部で「観光客以外については日本人外国人を問わず、検査をしっかり行った上で、できる限り往来を再開していく方針で臨む」と述べた。

まず、感染状況が落ち着いているベトナムなど16カ国・地域とビジネスに限定した往来再開の交渉をしてきた。念頭に置くのは駐在員の受け入れとのことだ。

さらに今回は対象国と要件を広げ、全世界から中長期の在留資格者について新規の入国を順次認めることを決めた。短期滞在者のうち観光目的は除き、ビジネス目的の出張は限定的に認める。新規入国はこれまで永住者のほか、一部の教員や医療関係者に限っていた。

中長期の在留資格者の新規入国に道を開くのは、国内外からビジネスへの悪影響を懸念する声があったためだ。コロナ問題が本格化する前の2019年の出入国管理統計によると、新規入国者のうち技能実習生は約18万人で最多。建設業や食品製造、農業などが外国人の労働力に頼っていた。

企業は入国制限の緩和に期待を寄せる。

 

入国者の増加に伴い課題となるのが感染拡大防止の水際対策だ。政府は検査能力を拡充するほか、宿泊施設などでの14日間の待機を求める。ただ法的拘束力はなく、待機期間中に外出をして、国内で感染が広がるリスクは残る。田村憲久厚生労働相は25日の記者会見で「しっかり検討したうえで実効性のあるものをつくっていく」と述べた。

と伝えています。

グローバル化している現在、いつまでも鎖国状態を続けることは難しく、最大の感染症対策をしつつ、観光客も含む外国人の受け入れを進めていくことを望みたい。

日本フードサービス協会より8月の実績が発表になっています。

 

<外食市場8月の動向>

新型コロナ感染再拡大の中で、回復は頭打ち

<全体概況>
8月は、前月から再び拡大し始めたコロナ感染によって、月前半を中心に客足が振るわず、外食全体の売上は7月の結果には及ばず84.0%と、回復傾向は頭打ちとなった。東京都など自治体が飲酒業態に営業時間短縮を要請したこと、お盆の帰省を自粛する人が多かったこと、小中学校の夏休み期間が短縮されたことなどがマイナス要因となった。

<業態別概況> 

・ファーストフード業態

FFは、業種間で回復に差があったが、テイクアウト・デリバリー需要が好調な洋風に支えられる形で、全体売上は96.6%と、前月(96.4%)とほぼ変わらない。 

「洋風」は、キャンペーンなどの好調に加え、コロナ感染の再拡大による巣ごもり需要が続き、ドライブスルー等でのテイクアウト・デリバリーが好調で、売上は108.2%。

「和風」は、都心部での需要の回復が遅れ、売上は92.0%。

「麺類」は、引き続き商業施設立地店の回復が遅く、売上80.8%。

「持ち帰り米飯・回転寿司」は、店内飲食の戻りが停滞し、猛暑でシニア層の客足が鈍るなどで、売上は前月の94.7%から91.8%へ。

「その他」は、「アイスクリーム」が猛暑で善戦し、売上90.3%と少し回復の傾向がみられた。

・ファミリーレストラン業態

FRは、月前半を中心に客足が弱く、全体売上は前月(77.4%)に及ばず、75.1%となった。

「洋風」「和風」「焼肉」は、コロナ感染の再拡大で例年のお盆や夏休みの需要が激減したことから、売上はそれぞれ70.9%、70.8%、85.6%と回復にブレーキがかかった。

一方、「中華」は、テイクアウト・デリバリー需要の支えもあり、売上89.7%と前月並みの前年比となった。・パブ・居酒屋業態

飲酒業態は、月後半にやや回復傾向がみられたものの、前月からのコロナ感染再拡大の中、飲酒業態への営業時間短縮要請などにより、月前半は多くの店で客足が激減、7月には前年同月の5割近くまで回復していた業態全体売上が41.0%に落ち、「パブ・ビアホール」は売上36.4%、「居酒屋」は42.3%と、壊滅的な状況が続いている。

・ディナーレストラン業態
ディナーレストランも、テイクアウト需要の掘り起こしなどで回復傾向のところもあったが、パブ・居酒屋と同様に月前半を中心に客足が振るわず、売上は65.1%と足踏み状態。

・喫茶業態 

ビジネス街立地での不振が続き、顕著な回復はみられず、売上は67.8%となった。

 

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