第294話   続々参入!!フードデリバリー事業の光と影

北欧発のフードデリバリーサービスの「Wolt(ウォルト)」が東京に進出する。

22日から東京都心の一部地域でサービスを開始する。

都内では新型コロナでデリバリーへの需要が増加していることからスタートアップ含めて参入が相次いでいる。

ウォルトに関して日経電子版が伝えている。

ウォルトはフィンランド発の料理配送サービスを手がけるスタートアップ企業。利用客がスマートフォンのアプリやウェブなどで飲食店の料理を注文すると配達員が30分程度で届けてくれる。現在は世界23カ国、100都市以上で事業を展開している。

日本では3月に初めて広島市に進出し、札幌市や仙台市に展開地域を広げている。2021年度には全国展開を視野に入れており、都内への進出でサービスの認知度を一気に広げたい考えだ。

まずは渋谷区や港区など都心の6区でサービスを開始し、飲食店150店以上の料理を届ける。

 

フードデリバリーの宅配員の数は4万人を超え、コロナ禍での雇用の受け皿として機能している。

ウォレットの他にもアジアで展開する「フードパンダ」も日本参入している。

 

料理宅配はウーバーイーツと出前館の大手2社に加え、今年に入ってmenu(東京・新宿)や「チョンピー」を運営するSYN(東京・目黒)のスタートアップ勢が参入。9月には独料理宅配大手、デリバリー・ヒーロー(DH)が「フードパンダ」のサービス名で日本市場に参入した。

配達員はフルタイムではなく都合のあう時間に応じて働く個人事業主の形態を主にとり、複数の料理宅配サービスに登録している人もいる。配達員が多いのはmenuで3万5千人(8月時点)。出前館は6千人(9月時点)、チョンピーは千人(同)で重複も含めた延べ人数で4万2千人に達した。

ウーバーイーツとフードパンダは配達員数を非公表としており、延べ人数はさらに膨らむとみられる。料理宅配市場の拡大に伴い、今後も配達員数は増えそうだ。

加盟店数も延べ11万店を超えており、ウーバーが多く6万3千店、出前館も3万店を超える。

外食は新型コロナの影響で経営が厳しく、閉店や従業員の削減が続く。厚生労働省によると、コロナに関連した解雇や、雇用する側が契約を更新しない雇い止めの人数は9月25日時点で約6万人に達したもよう。飲食業はこのうち17%の1万人で、料理宅配がその受け皿となる。ウーバーイーツジャパン(東京・渋谷)は「新型コロナ後に外食産業の経験者が増えている」と指摘する。

と日経電子版は伝えている。

 

デリバリーの急拡大で外食の形態を変え始めている。

ゴーストキッチンが台頭しよりデリバリービジネスに拍車をかけている事が伺える。

 

一方で急増する配達員の労働環境含めて課題は多いと言える。

一回の宅配で得られる配達員の報酬は500円から600円程度であり時給換算では1000円前後であるといえる。個人事業主が多く事故の保証も含めて不安定さは否めない。

フードデリバリービジネス企業の乱立で今後考えられることは、デリバリーフィーの値下がりである。顧客獲得競争が飲食店への価格での獲得競争に入る事が予想される。

飲食店にしてみると朗報と言えるが、前出の配達員の報酬も当然低下する事が考えられる、その結果としてデリバリーの配達員の質の問題が問われることになる事が考えられる。

外食の新しい動きであり、販売チャンネルの一つとして健全に成長することを願いたい。

 

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