第341話 無人店と多店舗展開

小売業特にコンビニが無人店の拡大を進めている。この拡大の根底にあるのは生産性の向上を求められる小売、サービス業の現状がある。一方で国による規制緩和の動きも大きく後押しになっていることも間違いないようだ。

 

ファミリーマートが無人店を1000店舗出店すると発表している。

コンビニは小売業の中でもスーパー等に比べると規模も小さく、管理がしやすい。生鮮を取り扱わないこともその導入を容易にしていると言える。

 

コンビニも従来型の出店では採算的に難しいエリアが存在する。最近の傾向ではコンビニの店舗数は横ばいとなっていることを見るとこの店舗の採算という壁が拡大を抑えていることは容易に想像できるところだ。

日経新聞の報道を見ると、出店コストは従来型の数千万円より約2割高いが、荷受けや商品補充時以外は店員が不要になり、人件費を大幅に減らせる。公正取引委員会の調査によると、人件費はフランチャイズチェーン(FC)加盟店の営業費用の6割を占める。

 

初期投資費用は無人店用のシステムを導入するのに掛かるが償却できる費用である。人件費は固定費的に必要になるものであり大きくコストを減らせる様だ。

利用者は専用ゲートを通じ無人店に入る。手に取った商品は天井などに設置したAI(人工知能)カメラや棚の重量センサーで店側のシステムが把握。専用の決済端末の前に立つと商品名と金額がモニターに表示され、電子マネーや現金で支払う仕組みだ。支払いが確認できなければゲートが開かず退店できない。

商品のバーコードを読み取る手間がかからず、事前にスマートフォンのアプリを用意したり入店時に生体認証などをしたりする必要もない。プライバシーに配慮し個人の特定につながる可能性のある顔などの画像データは取得しない。

通常のコンビニで取り扱う約3000品目ほぼ全ての販売が可能だという。7月には都内に売り場面積が50平方メートルと通常店の3割程度の小さい店舗を開いた。50台程度のカメラを設置し約750品目を用意。酒類を売る場合は決済端末のモニターを通じて成人かどうかを確認する。同時に入店する利用客が10人程度であれば問題なく運営できることが確認できたため大規模展開に踏み出す。

と報じている。

 

コンビニの国内店舗数は5万店を超え、19年には初めて店舗数が減少に転じた。従来の事業モデルでは出店できる場所が限られており、新たな店舗形態の開発が急務になっている。最低賃金の上昇や働き手の減少という課題にも向き合う必要がある。

他のコンビニや小売店も店舗運営の効率化を急ぐ。セブン―イレブン・ジャパンはNECと組み、決済に顔認証技術を使う無人店の実験を進めている。ローソンは、客が自分のスマートフォンで商品のバーコードを読み込む「スマホレジ」を導入した。

規制緩和で店舗運用の効率化が進む一方、衛生管理などへの対応はこれまで以上に企業の責任が問われる。無人店の普及に見合った消費者保護の仕組みづくりは今後の課題となる。

と結んでいる。

 

外食産業においても労働生産性の改善にテクノロジーの活用は急務であり、その進化に対応してトライできる企業体力が問われてくる。

一方で、食という消費者の健康に直結する業種であるだけに慎重であるべきと考える。

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