第346話 アフターコロナに厳しさを増す居酒屋

 

 

 

全国で緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が解除され、10月から飲食店などでの酒類の提供が再開された。東京都内では認証店で午後9時閉店が求められるが、繁華街に活気は戻りつつあるようだ。

 

そんな中、日経MJが消費者アンケートを実施している。

10月1日以降飲酒を伴う会食をしたと回答した人は10.3%。 飲食を伴わない会食をしたと回答した人は6.6%と、両方合わせても約2割弱だった。

 

これからの意向も聞いている。

最も多かったのが「飲食を伴う会食はしたくない」63.1%

「月に1度程度」は27.7%。「2週間に1回程度」は5.7%。

年末の忘年会の意向に関しても「忘年会はしたくない」が70.3%に達し、「飲食を伴う忘年会をしたい」23.4%を大きく上回っている。

 

新型コロナウイルス感染拡大の予防意識が高まり、会食をできるだけ控える意識が強まっている。一方でアンケート調査で、緊急事態宣言の解除を受けて消費者心理が緩やかながら改善しつつあることもうかがえる。

 

近場の観光地や、百貨店やショッピングセンターでの買い物を楽しむ意欲は高まっているようだ。

三越銀座店、伊勢丹新宿店なども客足は戻りつつあるようだ。「コートやセーター等の衣類関係が販売を伸ばしている」と言う。

 

週末や休日にでかいけたい場所(複数回答)では観光地(32.8%)とショッピングセンター(32.0%)と目立っている。

アウトレットモールが20.0%、百貨店は14.8%だった。テーマパークも15.5%であり、買い物や外出を楽しみたいという需要は根強いようだ。

Go Toトラベルも昨年12月で停止されているが約5割の人が使いたいと答えている。

 

今回の調査で飲酒を伴う会食はしたく無いと6割の人が答えているものの、観光や買い物にはお金を使うと答えている。明暗が分かれた形だ。

コロナが明けてもニューノーマルは飲酒を伴う飲食店には厳しいようだ。間違いなくコロナ前には戻らないことを示唆しているといって良いだろう。

 

一方で、今年の年末にかけて輸入食肉が一段と高値となるようだ。日経新聞が報じている。

 

高値が続く輸入牛肉と鶏肉が年末の需要期を控え、先高観を強めている。新型コロナウイルス禍の余波で国内の輸入品在庫が減っているうえ、海外相場の高騰を受けて今後の調達価格も一段高となる可能性が高まっている。外食店などでは値上げする動きも出始めており、消費の冷え込みを心配する声も強まっている。

輸入牛肉の市場関係者の間では「米国での調達価格が11月分以降は急激に上がりそう」との声が出始めた。「これから年末向けに在庫を積み増したい外食や量販店は一層高値での調達になる」(食肉卸)と懸念する声が広がる。

背景にあるのは輸入先の価格高騰だ。主力の米国産牛肉はコロナ禍からの景気回復が進んだ自国や中国向けの需要が好調。同機構によると1~6月の中国向け輸出量は前年同期比約11.7倍となり、米国の8月の現地価格は前年同月比5割高い。「これ以上の高値では売り先がないので買えない」(国内の輸入商社)といい、商社や卸が最小限の調達に徹した。

在庫の少なさは輸入鶏肉も同様だ。8月は前年同月比19.9%減の11万1400トンと17年4月以来の低水準となった。外食など業務用の主要な供給元のタイ産がコロナ禍の影響で減産となり、輸入が減少。ブラジル産も中東などの旺盛な需要で日本向けの供給量が減っている。

一方で唐揚げ人気を背景に輸入鶏肉の8月の需要は前年比17.8%増と好調だ。タイ産モモ肉(冷凍品、角切り)の卸値は10月初旬時点で年初比5割高に達し、11~12月の需要期に向けて品薄感が強まっている。

と日経新聞が伝えている。現在好調の「牛肉」関連業態、唐揚げ業態に影響が出そうだ。

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