第369話 特急列車の貨客混載で効率化と2月実績

JR四国と伊予銀行は25日、特急列車の客席の一部を利用して養殖マグロを輸送する貨客混載の実証実験をした。愛媛県宇和島市で水揚げした養殖マグロを松山市内のホテルに届けた。

 

陸上輸送を巡ってはトラックの運転手不足や環境問題など課題が多く、実証を機に新たな物流網の構築を目指す。実証実験では宇和島―松山駅間をJR四国の特急「宇和海」の客席の一部を使って輸送した。

宇和島市内の水産会社から宇和島駅までと、松山駅から松山市内のホテルまでの輸送はヤマト運輸が担った。

今回の実証実験は養殖業が盛んな県南西部、南予地域の水産業者から物流費高騰などの悩みの声が寄せられたことをきっかけに伊予銀が企画。JR四国などに協力を呼びかけて実現した。将来は県外へ輸送も視野に入れ、物流リスクの低減や県内水産品の販路拡大につなげたい考えだ。

 

JR四国にとっても、人口減少や新型コロナウイルス禍の影響で鉄道の利用客が減るなか、空席の利活用は課題となっていた。収益への寄与は限定的だが、少量でも時間通りに運べる鉄道輸送の強みを生かした事業化を模索する。

(日経Web版より)

 

日本フードサービス協会発表2月実績

<外食市場2月の動向>

まん延防止等重点措置の適用拡大、外食産業への影響も持続


<全体概況>
2月は、新型コロナ(オミクロン株)の新規感染が全国的に広がり、先月からのまん延防止措置は最大36都道府県へと適用が拡大した。外食の全体売上は大都市圏に緊急事態宣言が発令された前年同月と比べると104.8%となったが、FFを除く業態では需要の低迷傾向が続いており、全体売上の一昨々年比は84.5%と、コロナ以前との差はまだ埋まらない。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは、テイクアウトが生活スタイルとして定着しつつあり、売上は前年比107.1%。 

「洋風」は、物流の混乱によるフライドポテト供給の有無が各社の売上に影響した面もあるが、持ち帰り全般が好調で、売上113.0%。

「和風」は、持ち帰りや月替わり商品等の好調で105.6%。

「麺類」は原材料費高騰などによる価格改定もあり、全体売上102.1%となるも一昨々年比では71.3%。

「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「回転寿司」の恵方巻キャンペーンは比較的堅調であったが、緊急事態宣言下の昨年の好調には及ばず、売上は98.9%。

「その他」は、「カレー」で営業時間短縮店舗が増加し、売上97.8%、一昨々年比で87.0%となった。

ファミリーレストラン業態

FRは、まん延防止措置の適用が全国的に拡大したことから売上は前年を下回り99.3%、コロナ前の一昨々年比では67.9%と低迷している。
 「洋風」「和風」は、感染者数が減少傾向に入った下旬には客足回復の兆しが見えたものの、まん延防止措置による営業時間短縮、アルコール類提供の制限が響き、「洋風」は売上96.3%、「和風」は売上99.2%となり、一昨々年比ではそれぞれ61.1%、64.2%と足踏み状態。

「中華」は、デリバリー対応店舗の増加やメディア露出が奏功し、売上106.6%。

「焼き肉」は、営業時間短縮等により繁華街立地で落ち込みが見られたものの、店舗の増加などにより、売上100.8%、一昨々年比では73.6%まで戻した。


パブ・居酒屋業態

昨年も緊急事態宣言下にあったか、今年だけまん延防止措置が適用されたか、地域によって営業制限の度合いが異なり、企業の売上前年比にも差が出た。

「パブ・居酒屋」全体では、休業店舗もあった昨年と比べると、売上は108.8%となったが、店舗減少と営業制限の連続でコロナ禍前の一昨年比ではわずか22.7%である。

「パブ・ビアホール」の売上は123.0%と飛躍的に伸びたように見えるが、一昨々年比では27.8%。「居酒屋」も売上105.0%、一昨々年比21.4%に終わった。

 

ディナーレストラン業態
まん延防止措置では、酒類提供時間が緊急事態宣言下より1時間緩和された地域もあり、一部店舗では夜間の来客が昨年より増加し、売上は101.9%。一方、同措置は全国的に広く適用されたことから、適用対象外でも自粛する地域も見られ、売上はコロナ禍前の一昨々年の50.7%にとどまっている。

 

喫茶業態 

休業店舗が多かった昨年の反動で、売上104.0%となったが、ターミナル駅周辺の店舗の不調、不採算店の閉鎖などもあり、売上の回復はまだ遠い。

 

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