第392話 アライアンスとシェアリング

これからのビジネスのキーワードの一つがアライアンスとシェアリングです。そんな事例が紹介されています。
 焼き鳥のオオギヤとうなぎの宇奈ととのコラボ店だ。ショップインショップ型のゴーストレストラン型のビジネスモデルはこれからの特に外食の救世主の一つとなるだろう。
特にコロナ禍で売上が頭打ちの飲食店が売り上げを確実に確保するために多くの投資を必要としない、そして既存のリソースを活用できるビジネスモデルです。

自店舗の提供する商品だけでなく、実績のあるメニューをデリバリーという形でゴーストで販売し売り上げ確保につなげるのが本来のゴーストレストランだが、今回の扇屋と宇奈ととは看板にもそのブランドを謳い、イートインでの提供もするところはゴーストレストラン型のショップインショップのビジネスモデルとは違ってくるがその動向を見守りたいものです。まさにアライアンスの代表のFC加盟で店舗の時間と空間とリソースをシェアリングするビジネスモデルです。

現在も、ゴーストレストランのショップインショップ型ののビジネスは活況を呈しており飲食店も検討する課題になるようです。

日経ビジネスの電子版で紹介された死の事例をご紹介します。

昼はうなぎ、夜は焼き鳥
 企業買収のような大がかりな取り組みをせずとも、1つの店舗が複数のブランドを活用する動きも始まっている。21年9月にスタートした炭火焼き専門店「オオギヤと宇奈とと」は、居酒屋「炭火焼鳥オオギヤ」と、うなぎ専門ファストフード「名代 宇奈とと」が協力する店舗だ。1年弱で出店数は36に上った。

昼はうなぎ料理、夜はうなぎと焼き鳥を中心とした居酒屋メニューを提供する
 コロナ禍で居酒屋が大打撃を受け、「オオギヤ」を運営する扇屋東日本(東京・新宿)は非アルコールや、テークアウトに強いメニューの開発に迫られた。そこで、「宇奈とと」を運営するG-FACTORY(東京・新宿)とライセンス契約を結び、昼と夜で業態を使い分ける「二毛作」に転換することを決めた。
 昼はうなぎ料理が中心で、夜はうなぎと焼き鳥を中心とした居酒屋メニューを提供する。22年7月の売り上げで見ると、扇屋東日本が運営する居酒屋業態全体ではコロナ禍前の19年同月比で75%にとどまったが、コラボ店では90%を超えた。
 相性の良さもあった。両ブランドの共通点は「炭火焼き」。新たな設備は必要なく、焼き方のノウハウも転用できた。初期費用は看板を掛け替えるための数百万円程度で済む。
 コラボで大切なのは店舗運営の簡易化だ。宇奈ととでは一度焼き上げて冷凍したうなぎを使うため、調理作業が少なくて済む。人手不足が深刻な中で運営を複雑にすると「いずれひずみが生まれてしまう」とG-FACTORYの片平雅之社長は指摘する。
 外食店の出退店支援も行うG-FACTORYには、コロナ禍で退店の相談も増えているという。苦労する外食店の一助になればという思いから20年8月に始めたのがライセンス事業だった。外食店同士で手を取り合ってシナジーを生み出す経営も一つの活路となりそうだ。

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