第391話 居酒屋に影落とすコロナ禍7月の実績

日本フードサービス協会から7月の実績が発表になっている。その内容を見るとコロナの影響がなくなりつつある業態と今なお大きく影を落とす業態に分かれていることがわかる。

2019年7月対比で見ると外食全体では98.5%と持ち直して来ていますが店舗数では93.6%と減少していることが見て取れます。不採算店を整理する様子、又継続不可能となった飲食店の姿が見えてきます。
売り上げでは全体をファーストフードが牽引していることがよくわかります。
その中でパブ/居酒屋の低迷が気になるところです。

業態別(2019年7月対比)
ファーストフード      売り上げ 112.1%  店舗数 95.9%
ファミリーレストラン    売り上げ 89.0%  店舗数 92.3%
パブ/居酒屋        売り上げ 53.3%  店舗数 78.0%
ディナーレストラン     売り上げ 80.6%  店舗数 92.1%
喫茶            売り上げ 81.8%  店舗数 93.9%

<外食市場 _7月の動向> _
忍び寄るコロナ第7波で店内飲食の回復は月後半に失速 _
<全体概況> _
• _7_月の外食産業の売上は、営業制限のあった前年を大きく上回り、全体売上は114.5%となった。しかし3月の制限解除以降は回復基調にあった店内飲食が、月後半のコロナ第7波の拡大に伴い失速し、業界の全体売上を押し下げた。 _

<業態別概況> _
ファーストフード業態 _
• _テイクアウト・デリバリー比率の高いFF業態は、全国のコロナ新規感染者が1日20万人超の日々においても比較的堅調に推移し、全体売上は107.8%、19年対比でも112.1%となった。 _
「洋風」は、テイクアウト・デリバリーの堅調に加えて、価格改定による単価上昇もあり、売上108.0%、19年比では130.8%と、大幅な伸びを見せた。
「和風」は、昨年来の価格改定や鰻など季節メニューの好調で客単価が上昇、売上110.2%となった。
「麺類」は、月後半にラーメンなどで客足の減少が見られたが、うどんの持ち帰りが伸びたところもあり、売上110.5%。
「持ち帰り米飯/回転寿司」では、「持ち帰り米飯」のデリバリーやネット注文が好調で、売上102.6%。
「その他」は、「アイスクリーム」が夏休み需要を取り込み、サイズアップキャンペーン等が奏功し、売上108.2%となった。 _

ファミリーレストラン業態 _
• _全体売上は120.6%と、営業制限のあった前年との対比では伸びているが、夜間集客の鈍さに加え、コロナ感染が次第に拡大していくにつれ客足は鈍り、19年対比では89.0%にとどまった。 _
「洋風」「和風」の前年比は「洋風」117.7%、「和風」121.9%となったものの、中旬以降の感染者数の増大により、高齢者層の外出控え傾向が強まり、19年対比は「洋風」83.0%、「和風」84.1%となった。
「中華」は引き続きテイクアウト・デリバリーが堅調で、今年は酒類の販促キャンペーンも展開でき、売上は118.9%と好調、19年比でも109.4%となった。
「焼き肉」は、コロナ感染者の急増で特に都心部や駅前立地は苦戦、郊外店でも客足の伸びが鈍くなったが、月全体で見れば好調を維持しており、売上131.7%、19年比105.6%となった。 _

パブ・居酒屋業態 _
• _飲酒業態は、大都市圏などで休業要請が続いていた昨年の売上と比べると237.6%と大きく伸びた。しかし、ようやく戻り始めていた中小規模の宴会も、コロナ第7波の報道が出始めた頃からキャンセルが相次ぎ、月後半になるほど客足は鈍った。
19年比の売上は、4月47.6%、5月54.7%、6月58.3%と回復基調であったが、7月は53.3%とやや下降気味。 _

ディナーレストラン業態 _
• _月初は比較的好調で、ディナー時間帯の客足にも一部戻りが見られたが、中旬以降はコロナ感染の拡大に伴い、売上は都市部店舗を中心に下降傾向となった。営業に制限のあった前年と比べると売上は133.2%であったが、19年比では80.6%にとどまった。 _

喫茶業態 _
• _コロナ感染の拡大につれ、下旬になるほど客足は落ち、特にビジネス街立地の店舗が影響を受けた。時短営業の多かった前年と比べると売上116.1%となるも、19年対比では81.8%にとどまった。 _

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