第413話 アライアンスと12月実績と多店舗展開

前回「アライアンス」と「シェアリング」が今年のテーマだとお伝えしました。その中で自前主義からの脱却が一つのポイントになります。

自前主義が全て悪いわけではありません。しかし自前主義にこだわると事業の発展性に影響が出てしまうだろうということです。

自前主義からの脱却の大きな意味は、コアコンピタンスにリソースを集中することができるということです。そして、現在は自社にないリソースを外部に求める事が出来るビジネス環境が整ってきていることが背景にあります。

 

もう一方で、アライアンスを組むことで事業を拡大する可能性が広がる事です。最近の例ですと飲食店のデリバリーへの参入、通販への参入があります。

今まで、美味しい料理は作れてもお客様にデリバリーするということはなかなかできませんでした。それはデリバリー要因を抱えてその仕組みを作ることが大変であったからです。しかし、出前館、ウーバーイーツ等のサードパーティーの出現で可能となりました。
このことがビジネスを格段に広げています。単にデリバリーの導入のみならず、ゴーストレストラン等のビジネスモデルの台頭をもたらしています。

この「アライアンス」という考えが新たなビジネスチャンスをもたらしてくれます。

 

日本フードサービス協会が12月の実績を発表していますので確認したいと思います。

外食全体は2019年対比で100.6%と回復基調といえますが、中を見るとパブ、居酒屋は2019年対比58.6%と苦戦を続けています。

 

<外食市場12月の動向>

年末の個人客は増えるも、コロナ第8波への警戒で、大口の忘年会や夜間需要は戻らず


<全体概況>
12 月は、コロナの新規感染者数が増加傾向の中、年末にかけて個人客や家族客の外食需要が増え、価格改定の後押しもあり、外食の全体売上は前年比108.6%、19 年比で100.6%となった。しかし、夜間需要や大人数の忘年会需要は戻らず、FR、DR、飲酒業態など店内飲食中心の業態は、コロナ前の売上に届かない状況が続いている。特に店舗数が19 年の7 割台に減少した「パブ」と「居酒屋」は、売上も19 年比では5~6 割台となった。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

全体売上は110.6%、19年比で112.2%となった。 

「洋風」は、クリスマス前後の季節商品の販売が好調で、売上は113.2%となった。

「和風」は、テレビCM効果や季節限定メニューの好調により、売上106.7%。

「麺類」は、価格改定と客足の回復で売上112.2%。

「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」の年末需要が増加し、売上108.1%。

「その他」は、「アイスクリーム」がクリスマス用のアイスケーキに加えてイートイン消費も好調で、「カレー」は一部商品の値上げがあり、売上106.4%。

ファミリーレストラン業態

全体売上は前年比104.7%、19年比では93.7%となった。
「洋風」は、単価が高めの販促メニューの好評や年末集客の好調などにより、売上104.4%。

「和風」は、年末に家族客が増え、売上105.5%。

「中華」は、価格改定による客単価増と、店内需要、店外需要がともに好調で、売上107.4%。

「焼き肉」は、年末の家族客を中心に底堅い支持があり、売上102.3%となった。


パブ・居酒屋業態

コロナの新規感染者数が増えたが、インバウンド客を含む来客数への影響は限定的で、飲酒業態全体の売上は前年比で108.3%となった(「パブ・ビアホール」119.4%、「居酒屋」103.3%)。しかし、忘年会シーズンにもかかわらず二次会など遅い時間帯の来店は減り、また、コロナ第8波のピークを警戒してか、企業の大口宴会はキャンセルが続き、「パブ・居酒屋」の売上は19年比で58.6%にとどまった。

 

ディナーレストラン業態
企業の忘年会需要は得られなかったが、少人数の客が増え、売上は108.8%となった。だが、店舗の人手不足により最少人数の店舗運営をしているところもあり、予約や来店があっても応じきれない例が増えている。

喫茶業態 

年末の客数が増えて、売上は前年比108.3%。ただし、オフィス立地の店は勤労者の働き方の変化を反映して売上回復が頭打ち傾向となっている。

 

 

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