第426話 アフターコロナでも戻らない消費マインド

 

外食産業の3月の実績が日本フードサービス協会から発表になりました。

全体を見ると前年比で118.8%と復調と言っています。しかし、2019年度対比でどこまで戻っているかが大きな指標となります。
その、指標で見ると業態による明暗がはっきりとみて取れます。

外食全体では2019年度対比で101.5%とコロナ前に戻った感がありますが、その内容を見ていくと

ファーストフード業態は2019年度対比で113、2%と相変わらず順調に推移しているようです。

その他、ファミリーレストラン業態は2019年比は93.3%となっています。
パブ居酒屋業態は19年比では売上64.5%。
ディナーレストラン業態19年比では売上89.1%となっています。

 

順調に回復傾向にはあると言うものの、ファーストフード業態以外は2019年度対比ではまだ完全回復に至っていないようです。
特に、夜の遅い時間の客足のひけの速さを指摘する飲食店経営者は多いようです。遅い時間までの飲食の習慣が大きく変わっており、この状況がコロナ禍後どこまで回復するのか課題となりそうです。

一方で、特に居酒屋等ではコロナ前のような大規模宴会は戻りが鈍く、二次会需要もほぼ見られないと言う話もあります。ここも、消費者のマインド、特に若者のお酒を含む宴会等を敬遠する傾向が簡単に元の様に戻るとは考えられず、アフターコロナでも苦戦が予想されるところです。

 

 

 

日本フードサービス協会が3月の実績を発表していますので見ていきましょう。

<外食市場3月の動向>

コロナ規制緩和の動きの中、宴会等需要回復も、遅い時間の集客弱い


<全体概況>
3月は、13日よりマスク着用が個人の判断に委ねられ、コロナ規制の緩和への動きがよりいっそう明確になり、外食全体の売上は118.8%、19年比でも101.5%となった。好調の要因は主に歓送迎会や春休みのシーズンで個人や家族客、中小宴会が増加したことだが、大規模宴会や夜遅い時間帯の集客はまだまだ弱い。 5月8日にコロナが「5類」に引き下げられ、規制の無い社会・経済活動を取り戻せるように期待したい。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

全体売上は110.9%、19年対比では113.2%となった。 

「洋風」は、コロナ全盛期ほどの伸び率ではないが引き続き堅調に推移し、売上108.6%。

「和風」は、消費意欲の高まりが売り上げを押し上げ112.8%。

「麺類」も、値上がり基調が消費者に浸透し売上119.2%となった。

「持ち帰り米飯/回転寿司」は、年度の変わり目の歓送迎やWBC観戦などでテイクアウト需要が増え、売上108.4%となった。

「その他」は、人流の回復とともに、「アイスクリーム」が引き続き再来店を促すクーポンを配布するなどで客数が増加、売上115.2%となった。

ファミリーレストラン業態

全体売上は前年比126.2%、19年比は93.3%となった。
年明けからの堅調な流れとともに、コロナ規制の大幅緩和で春休みの家族客が増え、「洋風」は売上124.6%、「和風」は売上125.3%。

「中華」は、消費の回復促進を目指したキャンぺーンを展開するなどで、売上120.4%。

「焼き肉」は、春休み・卒業シーズンで団体客が戻り、売上は139.7%と大幅に増加した。


パブ・居酒屋業態

「パブ・居酒屋」は、酒類の提供制限という“足かせ”がはずれて以来、個人客やインバウンド需要の堅調が続き、送迎会シーズンの中小宴会が回復傾向で、売上は189.4%に跳ね上がった。だが、コロナ前のような大規模宴会は戻りが鈍く、二次会需要もほぼ見られず、店舗数自体もコロナ前の70%弱にとどまっており、19年比では売上64.5%となっている。

 

ディナーレストラン業態
中規模の歓送迎会およびインバウンド客と個人客の増加が売上と客単価を下支えし、売上は136.2%となったが、大口の法人利用はまだ期待できず、19年比では売上89.1%となっている。

 

喫茶業態 

マスクの着用が個人判断に委ねられるなど、コロナの規制緩和が一段と進み、客足は回復傾向で売上は127.5%となった。

 

 

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