第430話 上がるコンビニ弁当と4月実績

コンビニエンスストアの弁当や総菜の価格が上昇しています。これは原材料価格の高騰、物流費の上昇、円安などが原因となっています。この価格上昇は庶民の日常の食生活に影響を及ぼしており、日銀の新総裁である植田和男氏も注目しています。総務省の統計によれば、おにぎりや調理パンの価格は2020年から23年までの間に10%以上上昇し、「幕の内弁当」も7%高くなりました。

一方で、コンビニ大手各社は値上げによる売上減少を抑えるために、高付加価値の商品を開発・投入しています。これらの商品は独自性を持っており、価格が上昇しても消費者に受け入れられるように工夫されています。

それにもかかわらず、弁当類の売上は減少傾向にあり、特にパンや麺類の売上は大幅に落ち込んでいます。これは、価格上昇が消費者を離れさせ、購入行動に影響を及ぼしているためと考えられます。
外食を見ても売上の伸びが客数の伸びと相まって値上げによる客単価のアップによるところが大きいことが見えてきます。コンビニ弁当のような購買行動への変化に繋がらないことを願いたい。

 

日本フードサービス協会より4月実績が発表になっています。内容を見てみましょう。

<外食市場4月の動向>

コロナ規制が緩和に向かう中、売上は一見好調も厳しい状況は変わらない


<全体概況>
4月は、マスク規制の緩和や、コロナ感染症の5類移行を見据えた動きにより、消費者の外食意欲が戻り、歓送迎会や春休みの需要が好調。また、インバウンドも回復傾向にあり、外食全体の売上は115.8%、19年比でも107.0%となった。だが、世界情勢の変化に伴う諸コストの上昇分を価格転嫁だけで補うことは難しく、経営的には厳しい状況が続いている。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

全体売上は112.9%、19年対比では121.5%となった。 

価格改定に加え、好調な新商品やテイクアウト・デリバリーの定着、店内飲食の戻りで、「洋風」は売上111.2%、「和風」は117.0%。「麺類」も、商業施設立地店などの堅調により売上118.0%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、メディア露出や価格改定により、売上109.2%。「その他」は、「アイスクリーム」が復刻メニューやバラエティパックなどテイクアウト商品の好調で、売上112.8%となった。

ファミリーレストラン業態

全体売上は前年比118.0%、19年比で96.0%となった。
春休みやGWの始まりで、回復傾向が続き、「洋風」は売上117.1%、「和風」は118.9%となった。「中華」は、新商品や各種キャンペーンなどの展開で、売上116.6%。「焼き肉」は、引き続き郊外立地店舗で家族客の支持があり、加えて比較的低価格な業態では学生グループの歓送迎会が戻り、売上は121.0%となった。


パブ・居酒屋業態

「パブ・居酒屋」は、中小規模の歓送迎会が戻り、早い時間帯ではコロナ前と同程度の集客もあり、売上は131.9%となった。しかし、店舗数自体の減少は引き続き変わらず、遅い時間帯や二次会の需要は依然として弱く、19年比では売上64.8%となっている。

 

ディナーレストラン業態
インバウンド客の回復、各地で再開されるイベントの急増、国内客の増加などで、売上は122.4%、19年比では92.6%となった。

喫茶業態 

ビジネス街での回復ペースはゆるやかだが、各地でイベントや伝統行事が再開されて人流が増え、売上は124.3%となった。

 

 

 

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