第435話「値上げラッシュで外食取りやめが58.5%」と5月実績

原材料費、電気代等の値上げ等の影響を受けて外食各社も値上げを一斉に始めました。

その状況については、次回でご報告するとして、値上げによる消費者のお金の使い方の大きな変化が現れてきています。そんな内容を見てみます。

「値上げラッシュ」で外食をやめた家庭は58.5%

ソニー損害保険株式会社が、値上げラッシュが原因で「卒業」したものを調査して、発表しました。その結果、上位5位は以下のとおりです。
1位 外食:58.5%
2位 買い物場所:46.3%
3位 オシャレ:32.9%
4位 通信費の契約:28.0%
5位 国内旅行・間食:22.0%

値上げの影響があったと回答した割合は89.0%で約9割、実際に前年よりも支出が増えた割合は90.0%となり、各家庭の物価高騰による影響は深刻であることが分かります。

 

日本フードサービス協会から5月の実績が発表になっています。

<外食市場5月の動向>

  • 「5類」への移行などで需要回復傾向は続いているが


<全体概況>
5月は、8日に新型コロナの位置づけが感染症法2類から5類へと移行し、コロナによる行動制限がなくなり、GW後半の月初から店内飲食の好調が続いた。帰省客、国内観光客、インバウンドともに消費が旺盛で、外食全体の売上は111.8%、19年比でも107.6%となった。ただ、前月同様に売上昨対比は上がっているものの、食材・エネルギー・物流・人件費等の上昇と人手不足による時短営業などが経営上のマイナス要因となっていることは否めない。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

全体売上は110.4%、コロナ禍前の19年対比では120.5%となった。 

「洋風」は、休日数が1日少ないことや相次ぐ価格改定からか客数にややマイナス影響が出たが、客単価増で売上は堅調を維持し、108.9%。

「和風」は、コロナの5類移行でビルイン店舗の店内飲食が持ち直し、売上114.0%。

「麺類」も、GWに商業施設立地店舗の集客好調などもあり、売上114.3%となった。

「持ち帰り米飯/回転寿司」は、回転寿司がGWの堅調に加え、都心部でインバウンド需要が好調、売上107.8%。

「その他」は、「アイスクリーム」がファミリー需要を狙った大容量容器の販売キャンペーンを実施、売上は108.8%となった。

ファミリーレストラン業態

全体売上は前年比112.0%、19年比は97.8%となった。
GWの好調に続いて、5類移行後の回復が持続したこともあり、売上は「洋風」111.9%、「和風」114.1%、「中華」110.6%。

「焼き肉」も、月間の客足は好調で売上110.6%となったが、人手不足により営業時間短縮を余儀なくされているところもある。


パブ・居酒屋業態

「パブ・居酒屋」は、コロナの5類移行により団体等のやや大きめの宴会が少しずつ戻るなど、回復傾向が続き、前年比122.5%となった。しかし、コロナ禍でビジネス街・繁華街を中心に既存店舗の整理が進み、19年比では売上66.3%、店舗数68.5%となっている。

 

ディナーレストラン業態
入国制限撤廃後にインバウンドの回復が続く中、5類移行後は団体客の宴会も少しずつ戻りはじめ、売上は114.6%、19年比で97.3%となった。

喫茶業態 

価格改定後の客単価上昇に加え、5月8日以降はコロナ規制の事実上の撤廃により、各地でイベント再開が活発になり、売上は118.8%となった。

 

 

 

FMDIフードビジネス多店舗展開研究所の最新情報をお届けします

コメントを残す