第434話 残念なコスト削減の課題

外食産業は、競争が激しいビジネスフィールドです。飲食店が生き残るためには、利益を追求し、コストを削減することが必要です。しかし、短期的な利益を優先するあまりに行われる残念なコスト削減は、長期的な視点から見ると、企業の発展を阻害する可能性があります。最近の飲食店のコスト削減の取り組みの中で残念なコスト削減と言えるケースをみかけました。

  1. 原材料費の削減とその弊害

料理の質は、その素材が決定する部分が大きいです。そのため、コスト削減のために安価な材料に切り替えると、その品質に影響が出る可能性が高いです。特に最近遭遇したケースは「お米」です。そうご飯です。日本人が最も違いがわかるご飯の質を落とす事、品質が低下すると、飲食店の評価も落ち、結果的に顧客を失うことにつながります。顧客の期待を裏切ると、その信頼を取り戻すのは難しく、経営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

  1. 接客サービスの低下と教育費の削減

良好な接客サービスは、顧客が再度来店する理由となります。しかし、教育費を削減すると、スタッフのスキルやモチベーションが低下し、その結果として接客サービスが低下することがあります。また、十分な教育を受けていないスタッフは、問題が発生したときに適切に対応できないこともあります。これらの問題は顧客満足度を下げ、結果的に売上減少につながる可能性があります。
飲食店の経営者がまず最初にカットするのがこの教育費です。このことがビジネスの回復を大きく遅らせていることを認識する必要があります。

  1. 広告費用の削減

広告は新規顧客を獲得し、既存顧客をリピートにつなげるための重要な手段です。しかし、コスト削減の一環として広告費を削減すると、その結果として集客力が落ちる可能性があります。特に、新しいメニューやイベントを開催しても、その情報が顧客に伝わらなければ、効果は薄れてしまいます。また、広告を通じて店舗の存在を知る新規顧客の流入も減少し、結果的に売上が減少する可能性があります。
ところで、削減した広告費は企業にとって損失となります。

これらの課題から明らかなように、残念なコスト削減は企業の価値を蝕み、長期的な視点では企業の存続を危ぶむ結果をもたらします。原材料費、接客サービス、広告費という基本的な要素を犠牲にして得られる短期的な利益は、顧客満足度の低下、ブランドイメージの損傷、売上減少といった長期的なリスクをはらんでいます。

一方で、コスト削減はビジネスの基本であり、適切に行われれば企業の競争力を向上させる手段となり得ます。そこで重要となるのは、短期的な利益よりも顧客満足度やブランドイメージを重視する視点です。例えば、原材料費を削減する場合は、品質を維持しつつ効率的な調達方法を模索する。

接客サービスでは、必要な教育を提供する一方で、労働力を適切に管理し、スタッフが働きやすい環境を作ることでモチベーションを維持する。広告費については、効果的な広告手法を選択し、ターゲットとなる顧客に直接訴求するなどの戦略を立てることが求められます。

以上から、残念なコスト削減は外食産業の持続可能な発展を阻む一方で、顧客に対する尊重と企業価値の向上を優先する賢いコスト削減は、ビジネスの成功に貢献します。それぞれの企業が自社のビジョンと長期的な目標を念頭に置き、賢明な選択を行うことが求められます。

 

 

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