第441話 猛暑、消費に泣き笑い
8月11日の日経MJが今年の猛暑による影響を伝えています。
猛暑により、小売り・サービスの現場で明暗が分かれている。アイスやエアコンの販売が好調な一方、菓子パンや菓子といった甘い食品は振るわない。暑すぎると蚊の活動もにぶるのか、虫よけなどの売れ行きも落ち込んでいる。
「希望通りの日程で設置できるように供給体制を整えている」。家電量販大手のヤマダデンキは担当者がエアコンや冷蔵庫販売の対応に追われている。
エアコンや冷蔵庫は2020年に新型コロナウイルス禍での巣ごもり需要と政府からの特別給付金の支給で買い替えが進み、数年分の需要を先取りしたと見られていた。ところが23年7月の売れ行きは20年7月を上回る。ビックカメラも7月のエアコン販売金額が前年同月比で3割程度伸びた。
夏になると需要が伸びる食品・日用品の販売も好調だ。7月のアイス販売は森永乳業が金額ベースで前年同月比4%増えた。同社は「暑さが追い風となり、メロンやミント、白桃といった夏向けのフレーバーが好調に推移している」という。ロッテも「クーリッシュ」が2割伸びた。赤城乳業では「ガリガリ君」が約2割増加した。
酒類・飲料は連日夏日を超えた7月17~23日の週にキリンビールの主力ビール「一番搾り」の販売数量が前年同期比1割拡大した。アサヒ飲料はサイダーなどの三ツ矢ブランドは7月後半が前年同期に比べ1割増えたほか、ミネラルウオーター「おいしい水」ブランドも5割膨らんだ。
暑くても外出関連の消費は強い。そごう・西武は7月、サングラス売上高が前年同月より4割多く、男性用日傘も1割上回った。ホテルニューオータニ(東京・千代田)ではプールの売り上げが目標を2割ほど上回る。日陰で休める屋根付きで高単価の特別シートが売れている。
暑すぎることで売れ行きが鈍る商品も出てきた。いなげやではチョコパンやジャムパンの販売額が7月は前年同月から半減した。「猛暑だと甘いお菓子やパンの販売が落ちる」(同社)とみる。菓子大手のロッテもチョコレートの販売が「7月は想定を下回った」としている。
フマキラーによると、蚊の対策商品の7月24~30日の販売額が業界全体で前年同期を3%下回った。「25~30度が蚊の活動には適しているとされており、高温で蚊の活動が鈍っているとみられる」と分析する。
足元では「ゴルフ場などの利用は好調に推移している」(小田急電鉄)ものの、猛暑が続くと外出や買い物を控える人が増える可能性もある。ひらかたパーク(大阪府枚方市)では7月、暑さにより2日に1回の頻度で観覧車を一時休止するなど、テーマパークでは暑さの影響で一部サービスの提供を止めるケースも出ている。
当然外食にも大きな影響が出てきています。夏用メニューの投入はじめデリバリーの強化を含めて対応が求められます。