第494話 コロナ以降における外食業界のM&A動向と中食展開の戦略

外食産業はじめ店舗型ビジネスでも経営戦略としてのM&Aの活用が活発になってきました。

その一例として中食へのシフトで状況を打開しようとする動きが見られます。そんな状況をお伝えします。

コロナ禍が外食業界に大きな影響を与え、特に人件費の高騰と食事習慣の変容が課題として浮上しました。外食産業は営業再開に向けて回復を試みましたが、倒産件数が増加する中で業界全体の復調は難航しています。そこで、外食企業は中食事業への展開を図る動きが増加しており、M&Aがその手段として注目されています。

M&Aを通じた外食業界の戦略的拡大 中食事業は比較的手軽な食事を提供する業態であり、需要の多様化や労働力の有効活用、新たな収益源の創出など、外食業界が直面する課題に対応できる利点があります。例えば、ゼンショーホールディングスによるロッテリアの買収は、中食市場への進出と原料調達コストの低減、店舗オペレーションの効率化を図る狙いがありました。

具体的な事例とその相乗効果 ゼンショーホールディングスとロッテリアのM&Aでは、中食市場でのブランド力向上や、外食市場に依存しない収益基盤の確立が進められています。また、SRSホールディングスと株式会社NISの事例では、低価格帯ポートフォリオの強化や新商品の開発が期待され、グループ全体でのシナジー効果が見込まれています。

外食業界の今後の展開 外食業界が持続的な成長を実現するためには、消費者の行動変化に敏感に対応し、戦略的な周辺事業への展開が不可欠です。中食事業の導入は、企業の競争力を強化する有力な手段となり得ます。M&Aを活用することで、スピード感を持った成長と新たな市場での成功が期待できるでしょう。

 

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