第513話 11月の経済の動きと外食市場の動向

11月の日本経済は、製造業の減速が続く一方で、サービス業が需要回復を背景に成長を示しました。製造業は半導体や自動車部門での生産減少が響き、新規受注も低迷しています。一方、サービス業は新規ビジネスが5か月連続で増加し、雇用も回復基調にあります。企業はコスト上昇を顧客価格に転嫁しつつ、将来の成長への期待を高めています。

全体として、企業は地政学リスクやインフレ、人材不足といった課題に直面しながらも、競争力強化と持続可能な成長に向けた取り組みが求められています。特に、価値観の共有やリスク管理の徹底が重要な経営戦略となっています。

日本フードサービス協会より11月の実績が発表になりました。

<外食市場11月の動向>

各種キャンペーンの好調のほか、宴会の需要も緩やかに回復


<全体概況>
11月は、FFやFRを中心に各社キャンペーンの好調や、引き続き好調な訪日外客数にも支えられ、外食需要は堅調、外食全体の売上は110.5%となった。ようやく気温が下がったことで鍋など温かいメニューの注文も増え、また飲酒業態は休前日の多い曜日周りがプラスとなったほか、宴会需要が好調で、大きめの宴会の件数も緩やかに回復している。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは前年対比の売上が111.2%となった。
「洋風」はリニューアル商品の好評や、11月29日の「いい肉の日」や、月末のブラックフライデーのクーポンが好調で、売上は110.8%となった。

「和風」は季節の定番メニューや高単価好調で客単価上昇、売上は112.6%となった。

「麺類」は気温が低下し温かい季節メニューが好評だったことや、アルコール類も好調で、売上は118.3%となった。

「持ち帰り米飯/回転寿司」は、価格改定などの客単価上昇もあり、売上は104.1%となった。

「その他」は「カレー」でSNS映えを意識した高単価商品が好評、「アイスクリーム」ではキャラクターとのコラボキャンペーンにより売上前年比110.2%となった。

ファミリーレストラン業態

FRは全体売上110.7%となった。

「洋風」は、高単価のコースメニューの導入で客単価上昇したところがある一方、価格を抑えた業態も引き続き好調で、売上前年比111.2%となった。

「和風」は、鍋料理など温かいものが売れ始め、また宴会需要も増えて、売上は112.0%。

「中華」は海鮮フェアが好調だったところや、継続した各種キャンペーンの好調などで、売上111.0%。

「焼き肉」は、消費者が価格に敏感な傾向を反映してか、割引セールが好評なところもあり、売上106.5%となった

パブ・居酒屋業態

「パブ・居酒屋」は、忘年会シーズンに向けて月後半を中心に宴会需要が好調、件数も増えたほか徐々に宴会の規模も大きくなってきているほか、インバウンド需要が好調なところや、休前日の多い曜日周りもあり、売上106.9%となった。

 

ディナーレストラン業態
 引き続き堅調なインバウンド需要をはじめ、コロナ禍前には及ばないものの、夜間の宴会需要も少しずつ回復しており、売上106.3%となった。

喫茶業態 

これまでの断続的な価格改定も消費者に受け入れられ、客数、客単価とも上がり、またアルコール類を提供するところは予約が好調なところもあり、売上は前年比108.3%となった。

 

 

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